【阪神】門別啓人3年目ブレークの鍵は〝投げたがり〟の制御 首脳陣も「頼むから…」と困惑
阪神の2年目左腕・門別啓人投手(20)が19日に兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、70万円増の年俸870万円でサイン。「もっとやれたシーズンだった。来年はしっかりと戦力としてやれるように、と球団からも言われました」とホロ苦いシーズンを振り返った。 昨秋のキャンプで岡田前監督から資質を激賞された門別は、周囲からの高い期待と注目を浴びた。だが、今季初先発となった5月3日の巨人戦(東京ドーム)でまさかの3回6失点KO。一軍登板は5試合にとどまり、防御率4・50と低調な成績に終わってしまった。 悔しさを取り戻すためにも今秋の安芸キャンプでは積極的にブルペン入りし、連日のように力強い球を投げ込んだ。ところが、投手出身の藤川新監督は自身の現役時代の経験を踏まえ「肩、ヒジは消耗品。無理な投げ込みは避けるべき」との考えの持ち主。紅白戦に登板した翌日にもかかわらず投球練習を続けていた門別に対し「今ので球数どのくらいだ? あまり無理するなよ」と直々にストップをかけたことすらあった。 それでも門別は周囲の目をかいくぐるように、午後にもこっそりブルペン入りし〝おかわり投球〟を開始することも…。その場に慌てて駆け付けた金村投手コーチも「モンちゃん。頼むから我慢してくれ。これも仕事のうちなんだ」と必死に若武者をなだめていた。 この一幕について球団関係者も「それだけ今の状態の良さに自信を持っているということなのだろう。もちろん門別は投げ込み以外のトレーニングでも、相当な量をこなしていた。〝投げたがり〟は本来投手としてはいいこと。でも、そこは周囲のコーチが適度にストップをかけないとね」と苦笑交じりに振り返る。 3年目の飛躍へ、当面の目標に開幕ローテ入りを掲げた門別。将来を嘱望される大器だけに、ブレーキも必要になりそうだ。(金額は推定)
東スポWEB