アスファルトで事故死するカマキリ、犯人は寄生したハリガネムシ 「秋の悲劇」の謎解明
■寄生し操る生き物たち
他の生き物に寄生し、巧みに操作する恐ろしい寄生生物は、ハリガネムシ以外にも多数いる。
たとえば、ゴキブリに寄生するエメラルドゴキブリバチは、ゴキブリの胸部や脳に毒を注入して自分の意思で逃げられない状態にしてしまう。その上で、触覚を引っ張って巣穴までゴキブリを連れ込み、卵を産み付ける。卵からかえった幼虫はゴキブリを食べて育ち、成虫になるという仕組みだ。
また、特定の菌類に感染したアリは、巣穴と餌場を行き来する本来のルートからはずれ、ゾンビのようにうろつくようになる。最終的には植物の上に登っていき、葉にかみついて絶命。すると、寄生した菌類が子実体を伸ばして胞子を下に向かってまき散らし、地上にいるアリがまた感染してしまうのだ。(前原彩希)