日本にも上陸「ロボタクシー」日米中の“覇権争い”。競争激化で戦略を見直す大手も出てきた
さらに10月、テスラがロボタクシーやロボバンの試作車を公開し、ロボタクシーは2026年の生産開始を目指すと発表した。テスラの参入は、ロボタクシー業界を盛り上げると同時に、スタートアップにとっては大きな脅威になる。 ■競争激化で戦略見直す大手も ロボタクシーが有望分野であることは間違いないが、競争激化で方針を見直す大手も出てきた。 アメリカのゼネラル・モーターズ(GM)は今月10日、傘下のGMクルーズが手掛けるロボタクシー事業から撤退すると発表した。
クルーズは2023年10月にサンフランシスコで人身事故を起こし有料サービスを停止していた。事業が軌道に乗るまでの投資と競争環境などのリスクを勘案して、経済合理性が成り立たないと判断した。 GMの撤退のとばっちりを受けたのがホンダだ。クルーズに出資するホンダは、GMも含めた3社でロボタクシーを開発し2026年に日本に投入する計画を2023年10月に発表したばかりだったが、プロジェクトは白紙となった。
収益化までの資金需要、手強い競合、そして各国の規制……。Pony.aiとWeRideにとって上場はハードルを1つ越えたに過ぎない。2社とも上場後の株価は発行価格近辺で推移しており、投資家の期待と不安が現れている。どこが勝ってどこが負けたか、それが見えるのは数年先のことなのだ。
浦上 早苗 :経済ジャーナリスト