日本にも上陸「ロボタクシー」日米中の“覇権争い”。競争激化で戦略を見直す大手も出てきた
上場前に公開した資料によると、ロボタクシーを250台以上、ロボトラックを190台運行している。2024年1~6月の売上高2470万ドルの73%をロボトラック事業が占め、ロボタクシーの売り上げはわずかだ。 上場前に公開した目論見書から、トヨタがPony.aiの株式の13.4%を保有し、創業者の彭CEO(19.1%)に次ぐ第2株主であることも判明した。 ロボタクシーに向け2019年8月に提携を発表して以来、両社の関係は徐々に深化している。2020年にトヨタがPony.aiに4億ドルを出資、2024年4月にはトヨタ中国、(トヨタと広州汽車集団との合弁会社である)広汽トヨタ、Pony.aiが合弁会社を設立した。広汽トヨタで生産した車体にPony.aiの自動運転システムを搭載した車両を、早期に1000台投入する計画だ。
■WeRideもナスダック上場 バイドゥで自動運転技術の開発を担当していた韓旭氏が2017年に立ち上げ、今年10月下旬にナスダックに上場した中国自動運転スタートアップ「文遠知行(WeRide)」には、日産・仏ルノー・三菱自動車の3社連合のVC「Alliance Ventures」が出資する。 3社連合は2018年に出資し、2021年にも追加出資を行った。IPOの出資比率をみると、バスやトラックなど商用車を製造開発する宇通集団が保有率17.9%と最大で、VCの啓明創投が8.5%。3社連合が6.1%と続く。
最大株主がバス製造会社であることから、WeRideはロボバス、ロボバン事業の動きが多い。日産とも自動運転の実証実験を進めていたようだが、同社の経営の混乱も影響してか、WeRideの協業についてはここ数年具体的な話が聞こえてこない。 中国ロボタクシー企業が相次ぎアメリカで上場したのには、2つの背景が指摘されている。 1つ目は当局の“軟化”。近年の日中関係の悪化で、中国企業のアメリカ上場には高いハードルが課せられるようになった。