クリエイターがセレクト。大切な誰かに贈りたい、心に残る特別な一冊
最前線で活躍する各界のトップクリエイター7名に、大切な誰かに贈りたい本を選んでもらった。彼らの哲学や希望が詰まった一冊。ぜひあなたも手に取ってみてほしい。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年12月号掲載) 【写真】各界のトップクリエイターに聞いた、大切な誰かに贈りたい本
グラフィックデザイナー/岡﨑真理子
『NO THANKS, I’M JUST LOOKING』リサ・スディバシルプ/著(ビルディング・フィクションズ) 日常のオブジェクトがアートに 「アーティストのリサがホームセンターで行ったインスタレーションをまとめた一冊なのですが、安価でありふれた日常のオブジェクトが美術作品に見えてくる。即興的な少しの操作で物事の見方を変化させる面白さとホームセンターへの愛を感じます。オランダ留学時代の同級生が主宰する出版社から発行された本で、彼がプレゼントしてくれたんですが、私からもDIYとホームセンターが大好きな母に贈りたいです。目を輝かせて喜びそう」
俳優、モデル/玉城ティナ
『小さな徳』ナタリア・ギンズブルグ/著 白崎容子/訳(河出書房新社) 女性の普遍的な悩みに寄り添う 「人間関係や仕事など日々追われることの多い現代に生きる私たちは、時代を超えて知らない街へエスケープする瞬間があってもいいはず。この本は1940年代から60年代にかけてのエッセイ集。戦時中のつらい体験の描写もあるのですが、文体のおかげか残酷すぎず、人間の本質的な悩みは変わらないんだなと思わされます(われわれは経験しないことを祈っています)。同世代の女友達と呼びたい人たちにほっとしてもらいたくて選びました」
フリーアナウンサー/吉田明世
『きみなんか だいきらいさ』ジャニス・メイ・ユードリー/文 モーリス・センダック/絵 小玉知子/訳(冨山房) 少年たちから学ぶ仲直り 「二人の子どもを育てているのですが、子どもって本当によくけんかをする! だけどその分、信じられないスピードで仲直りもする。あの切り替えの速さ、引きずらない寛大な心は、子どもたちを最も尊敬することの一つ。夫婦げんかも仕事での意見の食い違いも、この絵本に出てくる少年たちのようにすぐにスイッチを切り替えて仲良く手を組んで歩けたら最高ですよね。誰かとけんかをしてしまった全ての方に読んでほしいです」