【MotoGP】「マルケスほど汚いライダーはいない」MotoGPレジェンドのバレンティーノ・ロッシ、場外バトル多発2015年の争いで批判再び
■マルケスがタイトル“獲らせない”工作?
ふたりの次なる衝突はオランダGPだった。このレースでは最終ラップに再びふたりが接触したが、ロッシはシケインのコース外をまっすぐ駆け抜けて、そのままフィニッシュし勝利している。 「最後のシケインで彼が仕掛けてくるだろうなというのは分かっていた。できる限りハードなブレーキングを試みたけど、彼がまた迫ってきた。僕を振り落とそうとしていたんだ」 「その瞬間、僕はシケインをカットし、そして勝利した。僕は限界までブレーキをかけていて、彼はコーナーを曲がるどころか僕を転倒させるようなブレーキをかけてきた。なんとか留まろうとしても、それは簡単ではなく、僕はシケインへ回避して勝った。それだけだ」 「パルクフェルメで彼は怒っていたけど、あんな表情は見たことがなかった。『(コーナーを)カットすれば勝つのは簡単だね』と言ってきたよ」 「僕は彼に、そっちが迫ってきていたと話し、(あの瞬間)どうすべきだったのかと聞いたし、客観的になるべきだとも言った。あの時から(両者の関係は)本当に終わってしまった」 またロッシはオランダGPでの出来事を受け、マルケス陣営がロッシに対して警告を送り始めていたとも主張している。 「特に(マルケスのマネージャーだったエミリオ)アルサモラが、パドックを回って『マルケスがタイトルを獲れないのなら、ロッシも勝てないだろう』と言っているのを聞いたよ」 「彼らはそれを何人かのスペイン人に伝えて、それを僕はスペイン人の友人から聞いたんだ。彼らは僕に、最後の数戦では気をつけろと伝え始めていた。(ロッシの腹心のアシスタントだったアレッシオ・サルッチ)ウッチョですらマルケスに気をつけるように言っていた」
■同郷ロレンソを手助けした?
マルケスとバトルの末、4位に終わったオーストラリアGPも、ロッシはライバルの意図的な行為があったと主張する。 ロッシは当時タイトル争いを繰り広げていたロレンソを、マルケスが助けていたと考えている。しかし実際のところ、マルケスは最終ラップでロレンソを追い抜いて勝利して重要な5ポイントを奪っているため、この主張は説得力が弱い。 「マルケスは(オーストラリアGPで)かなり優れていて、レースを通じて僕と戦っていた。そして彼は僕を打ち負かした上で勝ったんだ」 「僕らは事実を話している。タイムを見れば、彼がやっていたことが分かる。そういうもの(わざとゆっくり走っていたという仮説)ではない。明らかな事実だ」 オーストラリアGPの次戦マレーシアGPで、ロッシはマルケスがロレンソの戴冠を助けようとしていると公然と批判を展開した。 「マレーシアでは記者会見で彼に対抗した。それは彼がやっていることを皆の前で話すことで、そういうのを止めてくれることを期待したからだ」 「それに、彼はそういうことをする必要はなかった。チャンピオンシップを争っているのは僕とロレンソだったんだよ」 「タイトルを争っていたなら、(マルケスの行為も)理解できる。でも関係がないのなら、チームメイトですらないんだから、他の人を怒らせないようにリスペクトする必要がある」 「自分のレースをして、勝とうとすればいい。それだけだ。でもセパンではそのことが痛かったし、気になったんだ」 そして、そのマレーシアGPでは更に事態が悪化した。ロッシとマルケスと争っていた際、ふたりは接触しマルケスは転倒……その際ロッシが“蹴り”を入れたように見えたことから、大きな問題となった。 「彼は僕のことを3~4回転ばせようとしたけど、ラッキーなことに僕には当たらなかった」 「彼ともの凄く接近したけど、『OK、何バカなことをしているんだ?』という感じだった」 「僕らは接触しただけだ。彼のことを倒したいとは思っていなかったけど、転倒してしまった。彼のせいで僕はチャンピオンシップを負けたんだ。バレンシアでは最後尾スタートにされてしまったからね」 ロッシはこのマレーシアGPの一件でペナルティポイントが付与され、最終戦バレンシアGPで最後尾スタートの罰則を受けた。これがタイトル争いにおける決定的な瞬間となったと言える。