BEVへと進化した、新型ポルシェ マカンと超レアな電動スポーツボートに試乗
ボディサイズは全長4784mm、全幅1938mm、全高1622mmで、ホイールベースは2979mmと先代モデルより86mm延伸。そのためCd値は0.25とクーペのようなスタイリングから想像していたよりも室内空間にはゆとりがある。前後シートともに先代モデルより着座位置が低くなっており、後席は身長180cmの大人が座ってもしっかりとヘッドクリアランスが確保されていた。
やっぱりポルシェ、なインテリアの進化にも注目
インテリアは、タイカンにはじまった最新のデザインの流れを汲んだもの。ダッシュボードは12.6インチの自立型メーター、10.9インチのセンターディスプレイ、オプションの10.9インチ助手席用ディスプレイが一体化したブラックパネルとなり、タイプ930の911のインテリアを彷彿とさせるT字型を強調している。
そしてラゲッジスペースも先代モデルよりも広くなっている。リアスペースは通常540リッターで、背もたれを倒すと最大1348リッターに拡大。そしてボンネットの下には“フランク”と呼ばれる容量84リッターのセカンドラゲッジコンパートメントがある。
まずマカン4に乗った。事前にセットされたナビゲーションの案内に従ってクルマを走らせる。夕方の渋滞するアンティーブの市街地を抜けると、ほど近くにあるモナコで開催されるモンテカルロ・ラリーのようなコースへと導かれた。大きくて重いクルマなのに、軽快な身のこなしで山岳路を走り抜けていく。BEVになってもポルシェはポルシェだと感じる。 翌日、ターボに乗った。昨日まではマカン4で十分と思っていたけれど、やはりターボはいい。アクセルペダルの操作に対して瞬時に反応する。まさに意のままといったところ。足回りは22インチタイヤ+エアサスの組み合わせだったが、乗り心地も洗練されていた。昨日と同様に山岳路での試乗だったが、さらにクルマとの一体感が味わえた。
ポルシェ マカンを選ぶなら、そろそろ決断の時
実は当初マカンは、世界的に現行型のICE(内燃エンジン車)と新型のBEVを併売するとアナウンスされていた。しかし、欧州域内でサイバーセキュリティ法が施行されることになり、それに対応できないICEは、欧州のほとんどの国で販売終了になるという。ちなみに日本においても2022年から同様の規制が始まっているが猶予期間が与えられており、しばらくは現行型ICEと新型BEVが併売されるかたちになりそうだ。いずれにせよ、残された時間はそう多くないはず。マカンを検討の方、ICEかBEVか。そろそろ決断の時です。
文/藤野太一 写真/Porsche AG 編集/Web LEON