BEVへと進化した、新型ポルシェ マカンと超レアな電動スポーツボートに試乗
スポーツカーのようなコーナリングのスポーツボートにも試乗!
内外装のデザインはポルシェが担当。ステアリングなどまさにポルシェそのもの。インストゥルメントパネル上部にレイアウトされた5基のアナログメーターは、911を彷彿とさせる。ボートのフロア下に新型マカン譲りの最新モーター、バッテリーを搭載している。もちろん音もなく滑らかに動き出す。 船によくある排ガス臭がまったくない。船酔いする人もこれならだいぶ軽減されるかもしれない。ボートはどんどん速度を上げていき、まるでスポーツカーのようなコーナリングを披露する。聞けばそこはクルマと同じで、電動化によって低重心かつモーターの推進力をラグタイムなく正確にコントロールできるため、従来のボートでは実現できなかった操縦感覚が得られるという。
マカンターボと同一のモーター、100kWhのバッテリー、制御ユニットを搭載。ポルシェの800Vバッテリー技術を導入しており、11kWの普通充電と250kWの急速充電にも対応。巡航速度は22ノット(約41km/h)に設定で約45kmの航行が可能。速度をおさえれば、約100kmまで航続距離を伸ばすことも可能。最高速度は46ノット(約85km/h)。およそ2~3時間の使用を想定している。
ファースト・エディションは25隻製作される予定。価格は56万1700ユーロ(約9400万円)から。予約注文はフラウシャー社を通じて行われる。取材時には残り8隻で、日本人で購入した人はまだいないということだったので、ご興味のある方はぜひ。
ボートの試乗を終えて、マカンの試乗へとうつる。新型マカンの新しい骨格はアウディとの共同開発によるBEV専用の「PPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)」と呼ばれるもの。アウディはこれを用いてQ6 e-tronを発表済み(国内は未発表)で、今度はVWグループの他ブランドにも展開されていくはずだ。
アウディとポルシェが共同開発したBEV専用プラットフォームPPE。パワートレインは、前後アクスルに電気モーター(永久励磁型PSM)を配置した2モーター式で4輪を駆動する。800Vアーキテクチャーを備えたPPEのフロアには総容量100kWhのリチウムイオンバッテリーが効率よく敷き詰めている