来年40歳の関口訓充が南葛SC退団も現役続行「Jリーガーで引退」最後の夢へ38の個人協賛に感謝
関東リーグ1部の南葛SCで3シーズン、闘ってきた元日本代表MF関口訓充(38)の退団が6日に発表された。 「3年間ありがとうございました! Jリーグを離れ、社会人リーグの南葛SCに来た時の目標として『Jリーグまで昇格させてJリーガーとして引退をしたい!』。この個人目標は3年間、変わらず持ち続けていましたが、目標を成し遂げられずチームを離れることになり、非常に悔しい気持ちでいっぱいです」 今季も序盤こそコンディションが整わなかったが、徐々に本来の動きを取り戻した。9月は3試合連続でスタメン出場。チームは6位と難しい立ち位置も、レジェンドの復調で士気は高まった。その中で迎えた契約満了で、責任を痛感するが「感謝」でモチベーションを保つ日々だった。 「少なくとも40歳までは現役」と3年前に覚悟し、今季終了後の12月26日に39歳の誕生日を迎える。かつての日の丸戦士は、来年、その節目の40歳となる。引退の選択肢はない。 「まだまだ、もっともっと頑張らないといけない。この年まで自分がサッカーをやれているのは、皆さまからの支援のおかげです。支えがあっての今の僕なんです。夢をかなえるため、最終的な目標である『Jリーガーで引退』を達成するため、皆さんが応援してくださっている。負けられない。諦められないんです」 言葉通り、南葛SC独自の施策「個人パートナー契約」に、息の長い活躍を支えられてきた。普段の練習着に「法人」「個人」のスポンサー名を個別に冠することができ、パートナーの数から金額まで選手が自由に決められるシステムだ。 その協賛費から諸経費を除いた額が、クラブからの年俸にプラスしての個人収入=活動費となる。 「3年目の今季も、多大な後押しを受けられたからこそ(自宅があり、妻子が生活する仙台市を離れ)単身赴任でサッカーを続けられました」 南葛SC入団3季目の24年は計38の企業、団体、個人からサポートを受けた。 「この制度が認められないJリーガー時代は、考えもしなかったこと。新たに皆さまから人として指導していただき『共闘』させてもらいながら、選手として『もう1度、Jリーガーになって引退する』という夢の道を伴走していただきました。本当にありがとうございます」 名門・帝京高(東京)の10番を背負い、鳴り物入りで04年にベガルタ仙台へ入団したドリブラー。浦和レッズ、セレッソ大阪、再び仙台と渡り歩いてJ1通算225試合12得点、J2通算247試合20得点の成績を残した。 一転、当時J1だった仙台から国内5部相当のカテゴリーへ22年から挑戦。ファン・サポーターを驚かせてから、間もなく3年が経つ。 「南葛に来て、たくさんの出会いにも感謝しています! 1つ目の出会いは選手です! 社会人で働きながらでもサッカーを続けている姿を見て『本当にサッカーが好きなんだな』と、Jリーグにいた時には感じられなかった感情がありました。子供の時の、純粋に大好きなサッカーをやっていた気持ちを思い出させてもらえました。みんなと出会えて本当に楽しかったです!」 「2つ目はたくさんの個人パートナー様との出会いです! 本当にたくさんの企業様や個人の方から支えていただき、とても感謝しています!! そして今後ともよろしくお願いいたします」 「3つ目は南葛で出会ったファン・サポーター、そして下町の皆さまです! とっても濃密な3年間を送らせていただきました。本当にありがとうございました! とっても楽しかった3年間でした」 Jリーグの舞台は、仙台で34試合中28試合に出た21年シーズンが最後だ。返り咲くまで、まだ、やめられない。 「クラブを通じてコメントさせていただいた通り、当然、社会人リーグですから待遇は下がりましたし、大半の仲間たちは、仕事をしながら昇格の目標を追っている状況でした。自分はプロ契約の責任を持ちながら、でも個人協賛制度のおかげで、Jリーグ時代と同じようにサッカーに専念できる環境を与えてもらえました」 「退団はしますが、今後の目標は変わりません。自分が関わるクラブを昇格に導いて、社会人リーグやJFLからJリーグ(J3)に押し上げて、花道にしたい。こんな自分でも必要としてくれる、求めてくれるチームがあれば、あと数年はやりたい。1年でも早くJリーグに戻るため、全てをサッカーにささげる日々を、もう少し。完全燃焼したいと思っています」 「チーム目標も達成できず道なかばで去りますが、少しでも『こんな選手もいたな』って覚えていてくれたらうれしいです! またどこかで、お会いしましょう。またね!」 人生の半分を過ごしたJリーグを、最高のステージを、同志たちと分かち合いたい。現役最後の目標へ。あと何年できるか自分でも分からない。時間がかかればかかるほど壁は高くなるが、自らの心身に問いかけながら、恩返しのフィナーレを諦めない。【木下淳】