親友ができない男性が囚われる「男らしさ」の呪縛とは?男友達の「悩み」をあなたは知っていますか?
「この“人助け”ってものが、君にとって僕よりも大切になるんじゃないかってことを、僕はとても恐れているんだ」とダックスは打ち明けます。 ついにもろさを受け入れたダックスに対して、妻はこう答えます。「あなたより大切なものなんてないわよ」。ダックスはその後、妻が関わる慈善団体の評判を気にすることはなくなりました。 「僕は知性に訴えるポイントを並べているけど、でもそれは事実じゃないと思う」とダックスは言います。私たちがムキになって議論するほとんどは、理論ではなく、その下に湧き上がるもろい感情を避けるために、支配的でいようとする衝動であることが多いのです。ダックスはもろさを通じてこそ、心から求めていた本当のニーズを満たし、妻との関係を癒せたのでした。
■もろさを見せることは、男性にはバカにされるというリスクが伴う とはいえ、男性にとって諸刃の剣となるのは、支配性が男性の人間関係を損なう可能性がある一方で、もろさを見せてもやはり、人間関係を損なう可能性があるという点です。もろさを受け入れることは、とりわけほかの男性に対しての場合、リスクが伴います。 2013年の研究では、もろさを見せる男性について、男性は好ましくないと判断しました(女性はそうは受け取りませんでした)。ニューヨーク州立大学バッファロー校の社会福祉学の教授であり、黒人の男らしさを研究しているクリストファー・セント・ヴィル教授は、こう話します。
「男性は、ほかの男性に目を光らせています。だからもろさを内に閉じ込めてしまうのです。いったんほかの男性の弱さを見つけると、そこを狙います。その人を物笑いの種にし、からかい、いじめるのです」 ワシントン・ポスト紙の記事「No Game Days. No Bars. The Pandemic Is Forcing Some Men to Realize They Need Deeper Friendships」(試合もない。バーもない。パンデミックで一部男性が気づかされた、深い友情の必要性)に登場した男性、マニー・アルゲタもまた、悩みは男友達にバカにされる、という決めつけに異論を唱えます。