本格的な冬到来! こたつorエアコン…電気代が安いのはどっちだ?(多賀一晃/生活家電.com)
【家電のことはオイラに聞いて!】#76 熟睡には「頭寒足熱」。この言葉、実は暖房のエッセンスでもあります。 寒くなると血圧上昇…認知症リスクとなる「脳卒中」対策の注意点 体で冷やしてはいけないのは端部、腹部、腰裏。端部は、足先、手先。心臓から遠い上に、血流は毛細血管が中心です。このため、一度冷えると容易に温めることができません。 腹部はよく知られていますが、昔は夏でも冷やさないようにと腹巻きをしている人もいました。重要な臓器が集まる腹部ですが、体温を上げる機能は持ちません。このため、冷えると大変。内臓がうまく動かなくなります。当然、体全体に影響が出ます。 腰裏には、足に血液を送る下行大動脈が通っています。ここが冷えると足全体が冷えます。足は巨大な肉塊ですから、温めるためには熱量が必要です。 暖房の一番大切なことは、体の要所要所を冷やさないようにしながら、家事、勉強などを効率的に行う環境にすること。それには「今」にとらわれない柔軟な発想で見直すことも必要です。 例えば、こたつ。過去の遺物のように思われるかもしれませんが、端部、腹部、足の暖が取れます。その上、座り仕事もできる。立ち家事もこたつで温まりながら行えば、楽々対応。加えて食事など家族の団らんも可能。実に優れた局所暖房機器で、いまだに暖房の象徴のように扱われます。 部屋暖房が主流になった理由は、動きやすいからです。確かに、体全体を使う仕事には向いていますし、座り込むより椅子に座った方が効率が上がります。しかし、頭脳労働は、頭が熱くなるとダメ。頭の周りは温度が低い方がいいのです。 暖房でもうひとつ気になるのは電気代です。14畳用のエアコンの場合、大体270ワット/時前後(2023年モデル)。これは省エネを進めていった最新の成果です。一方、こたつは300ワット/時。ついにエアコンに抜かされました。これは凄い話で、エアコンメーカーは「ヒート・ポンプ以上節電できるシステムはない」と豪語しますが、やってのけたのは大したもの。 ■1人用こたつ「こたんぽ」の実力 ですが、今回取り上げるサンコーの1人用こたつ「こたんぽ」の消費電力は55ワット/時。昔ペットを飼育する時、白熱電球で水槽内を温めたことがありますが、60ワットを使いました。やり方によっては人間もこのワット数で十分暖を取れるのです。 「こたんぽ」は、前に電気毛布、後に厚手毛布を組み合わせた、寝袋のようなつくり。足は出すこともでき、ヨチヨチになるが、移動も可能。 冷やしてはいけないところを、暖かく守ってくれるし、頭は涼しいまま。座って仕事も、読書も、テレビ観賞もできる。上半身は重ね着すれば寒さ知らず。消費電力は55ワットで実販も1万円以下。財布にもとてもやさしい。最近、筆者も執筆時はエアコンを切り、こたんぽを使用。電気代を気にしない生活を楽しんでいます。 (多賀一晃/生活家電.com主宰)