【毎日書評】しつこい疲れをとる最高の休み方「リトリート旅」のつくりかた
「いつも、漠然としたなにかに追われていて忙しい」とか、「休んでもなかなか疲れがとれない」とか、そんな状態で日々を過ごしている方も多いのではないでしょうか。 だとすれば、一度立ち止まってみればいいと提案するのは、「ネイチャーセラピスト」として活動する『しつこい疲れがみるみるとれる! リトリート休養術』(豊島大輝 著、すばる舎)の著者です。 私は長年、皆さんが自然の中で心も体も元気を取り戻すための休養術、「リトリート」のお手伝いをしています。 人呼んで、リトリートの達人。普段は千葉県の温泉旅館やグランピング施設で、休日を過ごす方々を自然の中にお連れしたり、静かな森の中でヨガや瞑想などのリラクゼーション方法を教えたりしています。(「はじめに 忙しいからこそ『最高の休み方』を追求しよう」より) リトリートは、日本語では“転地療法”“転地療養”などと訳されていることば。つまり、日常を忘れて自然のなかでのびのび過ごすということ。それだけのことであり、決して難しく考える必要はないわけです。しかし、「それだけ」だからこそ絶大な効果があるようです。 事実、硬い表情で宿に到着した方も、そののち自然のなかを散歩したり、焚き火を眺めて座っているだけで、姿勢や歩き方、物腰までが柔らかくなってくるというのです。 私はこのリトリートを「人がヒトに戻る旅」と定義しています。 要は、普段身につけている社会的な「鎧」を脱ぎ捨てて、自然の中にまっさらな自分を見つけにいくこと、それがリトリートなのです。(「はじめに 忙しいからこそ『最高の休み方』を追求しよう」より) そしてリトリートこそ、忙しい現代人にとって「最高の休み方」であるとも確信しているのだとか。そんな考えに基づく本書の第2章「旅嫌いでもOK! リトリートがいいのは、こんなところ」のなかから、「リトリートのいいところ」に注目してみたいと思います。