尾身会長が会見 大型連休はコロナ対策徹底を(全文3完)市民に要請するだけの時代は終わったんじゃないか
1つの結論をまとめるべきだと考えているのか
毎日新聞:毎日新聞の原田です。この4つの考え方示されて、それに対して今日は専門家の、委員の先生方からそれぞれどれがいいとか意見があったと思うんですが、尾身先生自身はどういう考え方が中長期的に目指すべきというふうにお考えなのかということと、もう1つは、例えば大竹先生と押谷先生の考え方、かなり懸け離れていると思うんですが、こういう委員の中で考え方が懸け離れている状況でも何か1つの結論をまとめるべきだというふうにお考えでしょうか。 尾身:まず2つ目の、後半の質問ですよね。個人の名前が今、お2人の名前が出たけど、こういうかなり、この現状に対する判断というものが人によって違うですよね。そういう中で1つの提案を出すべきかっていうお話ですよね。それは、私は、どこかでも申し上げたと思うけども、こういうことじゃないかと思います。いろんな専門家がいるわけですよね、この分科会には。これはアドバイザリーボードと違って、かなり広範な職業の人、立場の人がいる。そういう中で、それの中でもあるコンセンサスが出る場合がありますね。これは、今までは結構そういうことが、ほとんどそうだったと思います、われわれの提言は。そういうコンセンサスができた場合に、いろんな意見はあるけども、これがコンセンサスですというのは、出すのは至極当然のことですよね。 ところが今おっしゃった、ある意味じゃ同じ現象を見ても、それをどう判断するか、その人たちの立場だとか、ものを、どこを見てるのか、すれ違いますよね。そういうところで2つの考え方、これは個人の問題じゃなくて幾つかあったときに、私は、それを無理やり1つにするということはやるべきではないと思います。
中長期的にはどういう方向が望ましいのか
それは、最終的には、これはこの判断をして政府がそれを採用する。で、結果は出るわけです。その結果をわれわれ専門家は、責任を取ることはできませんね、選挙で選ばれてない。われわれのできることは、それぞれの専門家のプロフェッショナルとしての考えに基づいて意見を申し上げるというのはやるべきだと思うんですけど、それの集合体としてコンセンサスができれば、できました。だけど、みんながそれぞれ自分の信念と科学的なあるいは思想によって、私はこう思います、しかしほかの人はという、幾つか、2つか3つか、そういう考えがあった場合には、それをまとめる、無理やりまとめるということは、私は、私自身も今は座長みたいな感じで、やるべきではないと思います。 私個人はどう思うかという話ですけど、今議論が進行中ですので、私はどのオプションというよりは、あえてやや抽象的に言うと、やっぱり私は、これは、なんて言いますかね、白黒の話じゃなくて、やっぱりAとBがあれば、より良いものを選ぶという、白黒つけるというよりも、現実の世の中はそう単純ではないですよね。そういうふうに細い道を、その地域によって違うんだけど、地域に一番ふさわしい道を探り当てて、何か単純にこちら、あるいはあちらというようなことはやらないほうがいいし、それが私の個人的で、もう1つ個人的に言えば、今の状況は変化を急にやるべきではないという。急に制限をがんと解除するとか、そういうことよりも少しずつアジャストしていくというほうが日本の社会にはふさわしいんじゃないのかっていうのは私の個人的な意見です。具体的にはちょっとあれですけど。よろしいですかね。 毎日新聞:すいません。最後におっしゃられたの、たぶん短期の話だと思うんですが。 尾身:うん? 毎日新聞:急激にというのは短期の話だと思うんですが、中長期的にはどういう方向が望ましいとお考えでしょうか。 尾身:中長期的には、私は、これはこのウイルスがある程度まだわれわれの地域に、あるいは、存在してるという前提ですよね。ウィズコロナみたいな。そこは、私はその対する具体的な考えというか、考え方は、やっぱり1つは、もう十分この2年以上で人々の行動制限をしてきたわけですよね。それが、社会でそれに次ぐ影響っていうのはあった。なんとか社会を解放したいという気分は、私は一市民としてよく分かります。どちらかというと以前は市民に行動変容を要請するという形でやってきましたよね。