仕事での挫折を糧に、より強く前進していくための4つのステップ
キャリアを歩んでいると、さまざまなつまずきや挫折を経験するものだ。昇進を逃したり、職を失ったり、予期せぬ困難に突き当たったりする。そんなときは気が滅入るかもしれないが、挫折に今後のキャリアを左右させてはいけない。 実際に「挫折を経験した人は、当初はレールから外れたと感じたものの、物の見方が前向きに変化し」て、挫折前よりも成功したとする研究もある。ハーバード・ビジネス・レビューで2023年12月に紹介されたこの研究では、キャリアにおいて挫折の経験がない人は「『安全な』選択に走り、型通りの道を選んでいた」という。 だから、落ち着こう。そして、たとえ障害にぶつかっても、やれることがあることを思い出そう。 キャリア上で思いがけず回り道することになったときに、主導権を再び取り戻し、さらに強くなって前進していくための4つのステップを紹介する。 ■挫折を受け入れ、人生全体への影響を評価しよう 挫折の経験は、当初は苦しいものだ。しかし、挫折によって人は立ち止まり、内省を迫られる。その過程で、そうでなければ得られなかった成長と変化の機会を見いだすことができる。 それは、自問自答するのにベストな時だ。「自分は、あらかじめ敷かれたレールに乗っかっているだけなのか、それとも自らの価値観に沿った目標を目指しているのか」と、自分に問いかけてみよう。 これを機に、自分を本当に突き動かすのは何なのか、自分のパーパス(人生の目標)と共鳴するキャリアの選択肢は何なのかを見極めるのだ。以前は無理だと思えたキャリアパスや起業、副業に挑戦してみるのもいいかもしれない。 キャリアで挫折したからといって、人生で挫折したことにはならない。一見すると悪い経験に思えても、幸運につながる可能性があることを忘れないようにしよう。
自分の成長を後押しする活動に取り組もう
筆者のクライアントは最近、10年も勤めていた会社を解雇されたが、それが自分にとってよい方向に作用するとは思っていなかった、と何度も言っていた。その会社から離れて初めて、いかに有害な職場環境であったのかに気づいたという。成長できるような支援がまったくなかったのだ。 だからこそ、挫折した経験から何を得られるかをよく考えよう。がっかりして自信を失くすのはやむを得ないが、そうした感情に引きずられて判断力が鈍らないよう気をつけたい。それよりも、先を見据えて計画を立てよう。 ■前進するための道を切り開こう キャリアにおける長期的な望みを見直し、それが今も自分の価値観や強み、関心とかみ合っていることを確かめたら、今度は、進みたい道が何であろうと、その成功に向けて全力を投じる必要がある。 この時間を有効活用して、自分の成長を後押しするような活動に目いっぱい取り組もう。同じ業界でも、新しい分野でもいい。講座を受けたり、キャリアの新たな扉が開くような資格を取ったりしよう。 大きなビジョンを達成可能なステップに分割して、最終的なゴールに向けて積み上げていくのもいいかもしれない。たとえば次の仕事ではリーダー的な役割に就きたいと考えているなら、リーダーシップ・コースを受講したり、プロジェクトマネージャーとしての経験を積んだりすることが、短期的な目標になり得るだろう。 着実に進んでいけるよう、自分で振り返りをしたりメンターと計画を共有したりしながら進捗状況を確認し、必要に応じてやり方を調整しよう。2016年の研究によれば、自己評価を行うと関心やモチベーションが上向き、取り組みのパフォーマンス向上や自己分析の改善につながるという。