高額フレグランスが好調な理由 いかにして日本人は「香り沼」にハマるのか?
ミラノの夜にインスパイアされた濃密な香り
独学で音楽家、弦楽器制作者、研究者でもある創設者ジュリアン・ベデルが手がける「フエギア1833」。最新作の“ノクトゥルナ”は、ジュリアンがラボを構える、ミラノの夜の静けさをイメージした香り。ウッディなパチョリを基調に、アンバーがエレガントな雰囲気を添え、バニラオーキッドの深みと甘みが包み込んでいく。ミラノが持つ長い歴史と、ファッションの中心地の華やかな空気を融合した、官能的な香り。
香りのない「砂漠のバラ」を巧みに表現したフレグランス
「ディプティック(DIPTYQUE)」の“レ ゼサンス ドゥ ディプティック”は、サンゴや睡蓮など、本来香りのない自然界の存在を、巧みに表現したコレクション。全5種の中で“ローズ ロッシュ”は、花の形に結晶化した鉱物「砂漠のバラ」をイメージしている。フレッシュなイタリア産のレモンに、ミネラル感のあるパチョリが深みを添え、ローズの甘みと調和。砂漠のドライな空気とローズの透明感あふれる甘さが奏でる、余韻のある香り。
フレグランスは下半期にも大型商品が登場し、クリスマスに向けて販売数も増加していく。高価格帯フレグランスが増えている今、経済産業省の生産動態統計を元に過去2年の販売数の伸張率から考えると、24年度にはフレグランス市場は100億円規模の成長が予想される。
ストレスが多い現代において、香りは私たちにどのような影響をもたらし、今後どのような香りが支持されるのか。そして高価格帯を含め、フレグランス市場はどのように成長していくのか、興味深く見守りたい。