「プロ野球90年」巨人ファン・井森美幸さんが語る野球の魅力 「2軍落ちして『桑田ロード』を走っていたタレントでした。野球はいろんな人生を教えてくれる」
発足から90年を迎えたプロ野球への思いを聞くインタビューシリーズ。大の巨人ファンとして知られるタレントの井森美幸さんが、4年ぶりの優勝の喜びや、タレント生活の支えともなっている野球の魅力を語った。(聞き手 共同通信・児矢野雄介) 【写真】韓国のカフェ店主驚愕、店先に憧れのダルビッシュ投手が 「最初に妻が叫んで…」 李さん「行動も発言も、全てが好き」 自分がどれほど熱心なファンであるかを熱弁し…
▽岡本選手にもらい泣き 4年ぶりの優勝。本当にうれしかったです。長かったとも感じますし、やっぱり昨年まで2年連続でBクラスだったというショックが大きかったですね。シーズン途中は「もうこんなに他チームが迫ってきた」とドキドキしながら見ていました。今年のセ・リーグは阪神の追い上げがあったり、広島とDeNAの3位争いがあったり、最後まで楽しめたシーズンだったなと思いました。 優勝した瞬間の岡本和真選手の涙にはもらい泣きしました。どちらかと言うと感情を抑えながらポーカーフェースでプレーする選手で、あそこまで感情を出すタイプとは思っていなかったんですけど、チームを引っ張る立場で、抱えていたものがあったのでしょうね。 阿部慎之助監督は球団初のキャッチャー出身の監督。原辰徳前監督とは違った野球になるのかなと思っていたし、投手陣の大切さを改めて感じました。最後まで投手陣全体が機能していて、チーム防御率は昨年より1点近く良くなりました。もちろんホームランの打ち合いも楽しいんですけど、守り勝つ野球の面白さを見せてくれたと思います。点が入らなくて手に汗握る場面が多かったけれど、それも心地よい感じ。試合を重ねるごとに安心感が増していって、キャッチャー出身の監督がやる野球の魅力を知ることができたシーズンでした。
何と言っても、開幕戦での梶谷隆幸選手のダイビングキャッチ。あれはビッグプレーでしたね。ホームランも打ってお立ち台に立ちましたし、あれで勢いづいた気がします。阿部監督が初陣で勝利を手にすることができたし、昨年日本一の阪神に勝てたことで乗っていけた。あのプレーは忘れられません。 ▽しびれた「10・8」 ゴールデンタイムに巨人戦の中継が毎日ある時代に育った世代。家でずっとお父さんが見ているので、もう見るしかないんですよ。王貞治さんがホームランを打つたびに、「ほら、王が打ったよ」という会話があって、環境がジャイアンツファンにさせたという感じですね。小学校では男子はだいたい巨人の帽子をかぶっていました。 隅から隅までよく見るようになったのは、大人になって東京に出てきてから。槙原寛己さん、斎藤雅樹さん、桑田真澄さんの「3本柱」が活躍した1990年代ですね。 思い出の試合は94年に中日とリーグ優勝を争った「10・8」。あんなに条件がそろったしびれる試合がありますか。同じ勝率でシーズン最終戦で直接対決。あんな状況は今後も生まれないだろうっていうような試合ですよね。それこそ長嶋茂雄監督が言ったように「国民的行事」でした。