“密フェス”参加者の陽性が2件判明 愛知・大村知事「実態明らかに」
愛知県の大村秀章知事は6日、県庁で定例記者会見に臨んだ。酒類の提供などが行われ、“密フェス”として問題となった同県常滑市の野外音楽フェスティバル「NAMIMONOGATARI2021(波物語)」(8月29日開催)について、「実態として何があったか(第三者委員会の調査で)明らかにした上で、(今後のイベントでの)感染防止対策を訴えていきたい」と述べた。 愛知県は、参加者に無料のPCR検査を実施すると呼び掛けている。これまでのところ愛知県に443件、名古屋市に515件の検査申し込みがあり、うち県と市で各1件、合計2件の陽性判明報告があったという。9月8日まで県のウェブサイトで受け付け、さらに検査結果を取りまとめる。 主催者は当初、「過度な飲酒でなければ酒の提供も可能」と県から話があったとしていたが、これに県側が抗議。先週後半にあらためて県庁を訪れて謝罪し、ホームページ上に「自己の認識の甘さが原因」だったなどとする新たな謝罪文も掲載している。
緊急事態宣言、延長求める考え
6日の県内の新規陽性者数は1190人(うち再感染者3人)。1週間前の1507人に比べれば減少傾向にあるが、入院患者は5日時点で1042人、病床使用率は64.1%といずれも高い水準。大村知事は「新規陽性者数は頭打ちしたと思うが、引き続き厳しい状況には変わりない」と指摘した。 このため、今月12日で期限を迎える緊急事態宣言についても、「この状況で解除は難しい」と述べ、延長を求める考えを示した。一方で、「(政府とは)すべての状況、認識を共有しており、要請という形にするかはあらためて相談する」とした。
自民党総裁選「できるだけ多く手を挙げて論戦を」
5日に閉幕した東京パラリンピックについては、銀メダルに輝いたボッチャ混合ペアの河本圭亮選手(東郷町施設サービス)、車いすバスケットボール男子の宮島徹也選手(オー・エム・エル・デジタル)をはじめとする愛知県ゆかりの選手たちの健闘をたたえた。 愛知県では2026年にアジア競技大会の開催が予定されており、大村知事は「東京オリンピック・パラリンピックの感動を引き継ぎ、日本の次なる大きな目標としてアジア競技大会の開催に向けた準備をしっかり進めていく」と話した。 また、菅義偉首相の不出馬宣言後、複数の候補者による選挙戦となる見通しが強まっている自民党総裁選については「できるだけ多くの方が手を挙げて、国民に分かりやすい言葉で議論を戦わせてもらえれば」とコメントした。 (関口威人/nameken)