「給料3カ月分ゼロに」 メダルかじりで河村市長あらためて謝罪
名古屋市の河村たかし市長は16日、市役所で定例記者会見に臨んだ。表敬訪問に来た東京五輪ソフトボール代表の後藤希友選手の金メダルをかじり、批判が殺到した問題について、「すべて私が悪うございました。申し訳ございませんでした」と謝罪。自身への処分として、市長給与の3カ月分を返上する方針を表明。その上で「引き続き市民の皆さんにご奉公したい」と述べた。 【動画】名古屋・河村市長、“メダルかじり”あらためて謝罪 定例会見
会見冒頭に頭下げる「国民、市民に不快な思い」
河村市長は会見冒頭、「心を込めて頭を下げさせていただきます」と述べ、10秒間ほど深々と頭を下げた。 謝罪の理由として「後藤選手の宝物であるメダルをかんだ行為」「後藤選手を傷付ける発言」を挙げ、「国民、名古屋市民の皆さんに不快な思いをさせてしまった」と説明。後藤選手に不本意な注目を集めることになり、「さらなるご迷惑をお掛けしてしまっている」と話し、「私の不徳の致すところ。慙愧(ざんき)の念に堪えません」と再度、演壇から外れて頭を下げた。
ハラスメント講習受け「自分が悪い」と認める
市長は4日に問題が起きてから、翌5日と12日に謝罪会見を開いたが、謝罪の仕方に対しても批判が殺到。13日にハラスメントに関する講習を受け、あらためて「自分が悪かったことを認めなければいけない」と気付き、今回あらためての謝罪に至ったという。 講習でこれまでの言動を振り返り、「自分は周りを盛り上げようとしてやってきたが、今までは責任を問われなかっただけ」とし、その場を汚したり、人に不快の念を抱かせたりする「環境ハラスメント」に当たると話した。
今後の公のイベントなどは「納得いただければ出させて」
一方、今後も同じような発言があった場合にどうするかという質問には、「もうないでしょう」と回答。今後の公のイベントなどについては「当局とよく相談して、(市民に)納得いただければ出させていただきたゃあ」と述べた。 この問題に対して、市に電話やメールで寄せられた批判や抗議は13日現在で約1万3700件。市長給与の返上については、今後の議会に条例案を出して正式に決定される見通し。金メダルの交換費用については、市長が自身で負担したいとしたが、五輪憲章で「政治的な寄付は受けない」と定められているため、IOC側が負担する見込みだという。 (関口威人/nameken)