「参りました」と負けを認め、壁にぶつかったら「基礎に戻る」ができるかどうか【プロ棋士と教育識者が語る、子どもの学び】
やりたいことのために、やるべきことを効率化
タブレット教材の RISU Japan 代表で『小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一の子ども30人を生み出した究極の勉強法』著者・今木智隆さんが、「子どもの学び」について各界の識者と語り合うシリーズ記事。 今回の対談ゲストは、プロ棋士である戸辺誠 七段です。 【画像14枚】お二人の対談の様子はこちら RISU代表 今木 智隆(以下、今木):本日は、プロ棋士・戸辺 誠 七段にお越しいただきました。 戸辺 誠 七段(以下、戸辺):こんにちは! 今木:今日は将棋をテーマに、子どもへのアドバイスや学習へのヒントについてお話を伺えればと思います。私も将棋が大好きなので楽しみにしていました! ぜひプロ棋士の視点から、子どもたちが自分の力を最大限に発揮するためのヒントを探っていきたいと思います。 今木:早速、プロ棋士になろうとしたきっかけからうかがっていければと思います。 戸辺:一番のきっかけは家出で(笑) 今木:えっ!家出がきっかけですか?(笑) 戸辺:実は何回か家出してるんですよね(笑)。中学校一年生の時ですが、英語が本当に嫌いで、ローマ字の概念すらわからなかったんですよ。 今木:え?!英語が嫌いで家出をしたんですか? 戸辺:実はうちの親がけっこう厳しくて「なんでこんなのもわからないんだ」って。夏休みとかは家に閉じ込められて。棋士になるか、学校に行くか選べみたいに言われて。 今木:なるほど、親が厳しいのと、将棋が好きすぎて家出したみたいな感じですね。 戸辺:将棋のプロを目指すための奨励会というのがあって、早いと小4、小5ぐらいからだいたい中学生くらいでみんな入会するんですね。以前は平日で月に2回開催していたので、学校を休んで通ってました。地方の子とかは1回の大会で2日ぐらい休まないと参加できないんですよね。 今木:なるほど、将棋をやりたくて奨励会に参加するためには学校を休まなければいけないんですね。小中学校なので、好き放題休めるわけでもないですよね。やりたいことを追求するためには、やらなきゃいけないことをどう効率化するかが求められますね。 ■やりたいことのために、やるべきことを効率化する やりたいこと「将棋」のために学校を休まなければならなかった戸辺誠 七段。将棋に集中するために登校や英語の壁と向き合い、学校や親などさまざまな制約の中で選択肢を模索した結果が、今のプロ棋士としての道につながったんですね。 何かを本気で追求するためには、不要な負担や非効率な作業を減らし、必要なことに集中する環境を整えることが重要です。学習においても、子どもたちが自身のペースで効率的に進められる環境が求められています。例えば、RISU算数では、一人ひとりの特性や理解度に合わせた学び方を取り入れることで、学習の基礎をしっかりと確立する仕組みを提供しています。 このように、やるべき基礎を効率よく学ぶことで、子どもたちが本当にやりたいことに時間を費やすことが可能となります。