せきや喉の痛みがつらいときに避けたいNG食べ物とは?管理栄養士が解説
風邪の熱は引いたのにせきが治らない、空気が乾燥して喉が痛くなる、という方はいませんか?つらいせきや喉の痛みは食べ物でケアできるかもしれません。この記事では、せきや喉の痛みを和らげる食べ物を管理栄養士が紹介します。喉の症状が気になるときに避けたい食べ物も取り上げるので、食事から体調のケアに取り組んでみてくださいね。 〈写真で見る〉せきや喉の痛みがつらいときに避けたいNG食べ物とは? ■ビタミンAとビタミンC、殺菌作用のある食べ物が効く! せきが出るのは、喉(気道)に入り込んだほこりやウイルス、細菌などの異物を体外に排除するためです。気道の表面は粘膜で覆われており、この粘膜は潤いを保つと同時に異物を絡め取る役割も果たしています。せきには、その異物を「たん」として体外へ排出する役割もあります。 せきは異物を除去する体の防御反応であるため、無理に抑える必要はありません。とはいえ、せきが続くと喉が痛くなったり、夜に眠れなくなったりしてつらいものです。体力を消耗して免疫力が低下し、別の感染症にかかるおそれもあります。 また、喉の痛みは声の出しすぎや飲酒、喫煙、気道に入ってきた異物などにより、喉に炎症が起きることが原因です。したがって、せきや喉の痛みを和らげるためには、喉の粘膜をケアして気道に生じた炎症を鎮めてあげるとよいでしょう。 粘膜の潤いの保持には、ビタミンAの摂取がおすすめです。ビタミンAは上皮細胞の形成に欠かせない栄養素であり、粘膜の乾燥を防ぐ作用が期待できます。 また、ビタミンCも粘膜の健康維持に役立ちます。ビタミンCは、肌や粘膜の細胞と細胞をつなぐコラーゲンの生成に関わる栄養素です。粘膜の健やかさを保つために、意識して摂取しておきましょう。 さらに、殺菌作用のある食べ物を摂取すると、喉の炎症を鎮める効果が期待できます。ビタミンAやビタミンCを含む食べ物、殺菌作用のある食べ物について、次で詳しく紹介します。 ■せきや喉の痛みをケアするおすすめの食べ物 粘膜の乾燥を防ぐビタミンAは、にんじんやかぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれています。喉が痛くて固形物を食べるのがつらい場合は、ポタージュスープや野菜ジュースで摂取するとよいでしょう。 粘膜を健やかに保つビタミンCは、柑橘類に豊富です。しかし、柑橘類をそのまま食べると、酸味で喉が刺激されるおそれがあります。 ビタミンCが豊富な柑橘類を摂取するなら、レモネードやゆず茶がおすすめです。これらの飲み物はビタミンCだけでなく、殺菌作用が期待できるはちみつを摂取できることもポイントです。はちみつには糖質が多く含まれており、せきで消耗した体力の回復もサポートできます。 また、大根は古くから喉の痛みに効くとされてきました。大根の辛み成分であるイソチオシアネートには抗菌・抗炎症作用があることがわかっています。ただし、イソチオシアネートは加熱すると分解されてしまうため、大根おろしにしておかゆやうどん、スープの仕上げにトッピングするとよいでしょう。 ねぎの辛み成分であるアリシンにも、殺菌作用があると考えられています。アリシンも熱に弱い成分であるため、生のままトッピングとして利用するのがおすすめです。 ■せきや喉の痛みがつらいときに避けたい食べ物 次の食べ物は、せきや喉の痛みを悪化させるおそれがあります。 ・香辛料を使用した料理 ・冷たすぎる、熱すぎる食べ物 ・酸味や塩分が強い食べ物 ・炭酸飲料、アルコール 唐辛子やわさび、からし、スパイスは喉を刺激するおそれがあります。また、柑橘類や梅干し、酢を使った料理も喉の症状が気になるときは避けましょう。 せきや喉の痛みが気になるときは、マスクや加湿器を利用して喉の乾燥を防ぐのも効果的です。ただし、2週間以上せきが続くときや発熱を伴うときは、呼吸器の病気や感染症の可能性があるため、無理をせず病院を受診してください。 【参考文献】 第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局「咳(せき)の原因」 第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局「のどの痛みの原因」 柴田貴広、内田浩二「イソチオシアネート化合物ーアブラナ科野菜に含まれる機能性食品成分ー」 ライター/いしもとめぐみ(管理栄養士)
いしもとめぐみ