濃厚デミグラスソースがたまらんっ! 丸の内「旬香亭」のランチにオムライスが登場
その作り方を古賀シェフに聞くと「まず、トマトペーストをじっくり炒めて酸味を飛ばし、フォンドボーを加えます。次に焼いた牛すじも入れ、さらに色付くまでよく炒めます。次に香味野菜も入れて5~6時間煮込んで漉す――という作業を2~3日繰り返します。色がブラウンに変わってコクが出てきたら、再度じっくり色付けしたルーを混ぜ、牛筋も入れて煮こむという一貫作業を2日繰り返して、ようやくデミグラスソースが出来上がります」とのことで、まさに気の遠くなるような手間と時間がかかっている。洋食店の矜持と言ってもいいだろう。
そのデミグラスソースとご飯をフライパンに入れ、手際よく混ぜ合わせながら古賀シェフが一言。「デミグラスソースを多めに入れて、ちょっとリゾットっぽく軟らかめにした方が、卵とよく馴染んでおいしいんです」
卵は、特別なものではないそうだが、焼き上がったオムレツは一点の焦げもなく、バターを纏ったその表面は、シルクのようなきめ細かさとしっとりした光沢を見せている。最後に円錐状に形を整え、自家製トマトソースをかければ出来上がりだ。
スプーンでひと匙掬って口に運べば、バターの香りと卵の風味、デミグラスの香気が渾然一体。品格のあるおいしさが口中に広がる。
このオムライスに、スープとサラダが付いて1,800円は、立地と手間を考えれば、今時うれしいお値段では?
また、お子様ランチ風にハンバーグや海老フライ、コロッケを盛り合わせた「ハンバーグ&フライ」1,600円も人気のメニュー。
その他「アジフライ&ポテトコロッケ」1,500円、女性を中心に人気の「小海老のマカロニグラタン」1,600円など11種類ほどがそろっている。いずれもサラダ、スープ、ライス付き(ご飯メニューにはライスは付かない)。わざわざ食べに行きたい一皿だ。
※価格はすべて税込
目白 旬香亭 丸の内店
住所: 東京都千代田区丸の内3-2-3 二重橋スクエア B1F TEL: 050-5593-8618
撮影:外山温子 文:森脇慶子、食べログマガジン編集部