黒木華、思い出残す紙の写真の尊さ感じた「浅田家!」
黒木華は、大学在学中に野田秀樹氏の演劇ワークショップに参加、オーディションに合格し、NODA・MAP番外公演「表に出ろいっ!」でデビュー。2011年には映画「東京オアシス」でスクリーンデビューを飾り、「シャニダールの花」「舟を編む」といった作品に恵まれ、14年には「小さいおうち」で第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)に輝いた。女優ひとすじ。10月2日には二宮和也が実在の写真家・浅田政志役で主演する映画「浅田家!」(中野量太監督)が公開。4人家族の次男として育った政志の半生を描き、第36回ワルシャワ国際映画祭、第25回釜山国際映画祭に出品が決定した。二宮のほか妻夫木聡、平田満、風吹ジュン、菅田将暉らが出演。政志の幼馴染み、若奈を演じる黒木に聞いた。 【写真】女優ひとすじ、黒木華
自然体の二宮、気負わずにできた幼馴染み役
- 実在の人物を演じる際、人となりについて事前に調べますか 黒木 あまり調べません。でも以前、面白い写真集があると友達に勧められ、浅田さんがご自分の家族を被写体にされた写真集「浅田家」を見たことがあって、今回お話をいただいたときにあらためて見返しました。 - 「浅田家」は木村伊兵衛写真賞を受賞した浅田さんの代表作ですね 黒木 いま家族の思い出をプリントして紙の写真で残すことって少なくなってきてると思うのですが、あらためて思い出を残すことの大切さ、尊さに気づかされました。浅田さんが被災地から回収されたいろいろな家族の写真を洗うボランティア活動をしているシーンは、とても印象に残っています。 - 現場のコミュニケーションはどうでしたか 黒木 二宮さんご自身がとても自然体で、ひょうひょうとしていらっしゃる方なので、私も気負わずにできました。実は二宮さんのほうが年上ですが、現場ではそれを感じさせず、幼馴染みとしてそこにいることができました。 - どういうところを見てほしいですか 黒木 私はこの浅田さんご家族の、くすっと笑えるところがすごく好きなんですが、浅田さんが撮られたご家族の写真と劇中に出てくる浅田家の写真が本当にそっくりで、劇中写真も浅田政志さんが実際に撮られているので、そういうところも見てほしいです。写真の中にいる家族や写真がつなぐ愛情を中野さん(監督)が映し出してくださっているので、そういうつながりも見ていただけたらと思いますね。 - 黒木さんは、写真ってどういうものだと思いますか 黒木 撮る人の気持ちが表れていたり、自分の知らない自分が写っていたりするので、面白いなと思います。そういう気持ちや思いを残すものなのかなと思います。服を見せるためにかっこよく撮る写真もあれば、アートもある、すごく幅広いなと思います。