群馬県が独自の外来種リスト、ブルーギルやキョンなど212種…駆除や早期発見に期待
群馬県内の生態系を脅かし、農林業に悪影響を及ぼす外来種について、県は独自のリストを初めて作成し、県ホームページで公開している。外来種を県民に周知することで、駆除への協力や新たな外来種が県内に入ってきた際の早期発見につながると期待している。
県が昨年12月に公開を始めた「県生態系等被害防止外来種リスト」には、既に県内にいる外来種と、侵入の恐れがある動植物212種を載せた。
同様のリストは2015年に環境省が作成し、400種以上の動植物が登録されている。県内では環境省のリストのうち、桜などの樹木を食い荒らすクビアカツヤカミキリや魚のブルーギル、白い花を咲かせるフランス菊などが定着し、生態系や農林業に被害を及ぼしている。近県でも茨城などではシカ科の特定外来生物「キョン」が増え、県内への侵入が懸念される。
県のリストでは、212種の定着段階を、広く生息する「定着」、確認され始めた「侵入」、入る恐れがある「未確認」に分け、その中でも早急に駆除の必要がある58種を「対策優先種」とした。
外来種対策として県はこれまで、昆虫などは発見し次第、殺虫剤や踏みつぶすなどでの駆除を呼びかけてきた。一方、アライグマなどの哺乳類やインコなどの鳥類は鳥獣保護法で無許可の捕獲が禁じられている。そのため、県はわなにかかった際などは駆除せず、県や自治体に連絡するよう求めている。県自然環境課は「リストで県内の状況を把握し、対策を練るために活用してほしい」としている。