安い仕事は必ず交渉するべき? 25年以上仕事が途切れないフリーランスが指摘する<金額以外の価値>とは
◆受ける仕事の決め手は内容と担当者 「仕事を受けるかどうかはどう決めているのですか?」と聞かれたことがあります。 私の場合、仕事の依頼をいただいたときに聞く条件は次の5点です。 私が仕事の依頼をもらったときに必ず聞く条件 1 納期 2 スケジュール感(取材や校正する時期など) 3 内容(具体的な仕事の内容。ブックライティングの仕事であれば、どんなプロフィールの人で、どんな内容の本にするのかなど) 4 仕事の範囲(取材と原稿執筆のみか、編集作業等もするのかなど) 5 報酬(原稿料や印税契約) フリーランスになりたての頃は「お金よりも実績づくりを優先した」 と前述しました。とはいえ、<5報酬の金額は必ず最初に聞く>ようにしましょう。 これは、ベテランかどうかに関係なく、ビジネスの基本です。
◆短納期、手に負えない内容は引き受けない 興味のある内容であれば、多少スケジュールがきつい場合でも、お受けすることがあります。 人生のモットーのひとつは、「楽しむ」です。 自分の知識欲を満たしてくれる内容は、結果的に楽しんで仕事ができます。 原稿もスムーズに書けます。 お引き受けするのが難しいのは次の2つです。 <引き受けるのが難しい依頼> どう考えても自分の手に負えない内容 スケジュールが短納期すぎる案件 実践づくりを優先していたかけだしの頃においても、自分の手に負えない内容は、お受けしませんでした。 たとえ報酬の金額が高くても、スケジュールに余裕があっても、です。 たとえば「新しいパソコンのモデルの紹介」「薬の効能」のような専門的な知識が必要な案件や専門職の人をターゲットにしている案件です。 一から勉強すれば対応できる可能性もありますが、時間ばかりかかってしまい、納期に間に合わなかったり、きちんと理解できずにトンチンカンな内容の記事になってしまう危険性もあります。
◆スケジュールは、よく検討してきちんと管理する であれば、最初からお引き受けしないほうがお互いのためです。 スケジュールが短納期すぎる案件、自分のスケジュールと合わない場合も、お引き受けしませんでした。 受けられないのは、ほぼこのスケジュールの問題でした。 たとえば、今月取材して来月中に本の原稿(約200ページ)をまるまる納品といった、物理的に対応できない案件はお引き受けしませんでした。 無理なスケジュールの仕事を受けると、自分の睡眠時間を削りに削って仕事に臨むことになり、だいたい体調を崩します。 あるいは、結果的に納期までにできあがらなくて、遅れてしまい、逆に迷惑を掛ける場合もあります。 「相手に迷惑を掛けてしまった」と思うと、自分の心へのダメージも大きいので、いつまでも自分を責めてしまいがちです。 スケジュールはよく検討します。 また、「どんなとき、引き受けないようにするか」といった自分なりの方針を決めておくとよいでしょう。 <POINT> 「引き受けない仕事」を決めておく ※本稿は『女性フリーランスの働き方』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
小川真理子
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