トップ2台の一騎打ちでLEON PYRAMID AMGが2連勝。PONOS FERRARI 296のコッツォリーノとワドゥが初表彰台【スーパーGT第6戦GT300決勝レポート】
9月22日、宮城県のスポーツランドSUGOで2024スーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝レースが行われ、GT300クラスは終盤の接近戦を制したLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)が15番手から逆転優勝を飾った。 【写真】2024スーパーGT第6戦SUGO GT300クラスの表彰式 金曜搬入日から不安定な天候に見舞われたSUGO。土曜予選日も雨は弱まらず、午後の予選キャンセルで決勝スターティンググリッドは公式練習のタイム順となった。迎えた日曜決勝日もお昼ごろまで強い雨がサーキットを襲い、ウォームアップ走行がディレイに。 その影響でフォーメーションラップは当初の13時30分から14時22分からのスタートに変更され、コースが濡れていることもありレースはセーフティカー先導で幕が上がることになった。 4周目にスタートしたレースは、シェイドレーシング GR86 GTの清水英志郎を先頭に、序盤から激しい上位争いが展開。シェイドGR86はトップをキープするも、2番手のSUBARU BRZ R&D SPORTと3番手のD’station Vantage GT3のペースが上がらず、PONOS FERRARI 296とStudie BMW M4がオーバーテイク。ミシュランタイヤ勢がトップ3を独占していく。 ダンロップタイヤ勢は4番手以下、スタートにスリックタイヤを選択したヨコハマのグッドスマイル 初音ミク AMGとUPGARAGE NSX GT3は最後尾まで後退してしまう。 迎えた13周目、2番手に浮上したPONOS 296はケイ・コッツォリーノがペースを上げ、首位のシェイドGR86の背後に迫る。 その後、馬の背コーナーで仕掛けたコッツォリーノはSPコーナーへの進入でクラストップに躍り出る。 ペースの上がらないシェイドGR86は、さらにStudie BMWを駆るニクラス・クルッテンの追撃を受け、20周目の馬の背コーナーでポジションを明け渡してしまう。さらに23周目、シェイドGR86は右リヤタイヤが外れてしまうトラブルに見舞われてしまい、上位走行中ながら無念の戦線離脱となってしまった。 26周目にはK-tunes RC F GT3と、直前にピットインしてスリックタイヤに交換していたHOPPY Schatz GR Supra GTで交錯があったか、K-tunesは右フロントを損傷し緊急ピットイン、HOPPYは最終コーナー進入でマシンを止めてしまう。 この車両ストップの影響でセーフティカー(SC)が導入されると、GAINER TANAX Zは導入直前にピットインを行った。SCは隊列整理完了後の32周目から再開。このタイミングでSyntium LMcorsa GR Supra GT、UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI、apr GR86 GTがピットインし、LMcorsaはスリックでレースに復帰する。 翌周にはSUBARU BRZもスリックに交換し、井口卓人から山内英輝にドライバーを交代してコースに出ていく。その“ダンロップスリック2台”がその後自己ベストタイムを記録したことから、レインとスリックのチェンジオーバーが近づいてくる。これを見た他チームも続々とピットイン。 さらにGAINER TANAX Zがレインボーコーナーでクラッシュを喫してしまう。SCもしくはFCY(フルコースイエロー)導入を見越してほぼすべての車両がピットに飛び込んでくると、車両回収のためにFCYとSCが宣言される。 レースは50周目に再開。コッツォリーノからステアリングを引き継いだリル・ワドゥを先頭に後半へと突入していくが、2番手に浮上してきたLEON PYRAMID AMGの篠原拓朗がフェラーリの背後に迫る。 その後方では、3番手Studie BMWの荒聖治とD’station Vantageのチャーリー・ファグが表彰台をかけたバトルを展開し、57周目にファグが3番手にポジションを上げる。一方のトップ争いはフェラーリの女性ファクトリードライバーであるワドゥは冷静にトップを守る走りを披露。 ワドゥと篠原の争いはおよそ20周にわたる接近戦の末、71周目の最終コーナー立ち上がりで並びかけたLEON AMGが1コーナー進入でPONOS 296を攻略。トップに立った篠原は着実にギャップを築いてトップチェッカーを受け、第4戦富士からの2連勝を決めた。 PONOS FERRARI 296はトップこそ明け渡したものの、4.032秒差の2位でフィニッシュ。今季から参戦のPONOS RACING、コッツォリーノ、ワドゥにとっても初の表彰台となり、女性ドライバーが表彰台に立つのは、JGTC全日本GT選手権時代の1995年第1戦で岡野谷純の2位以来、2005年からのスーパーGTでは初めてのこと。 3位にはD’station Vantage GT3がシーズン2度目の表彰台で続き、Studie BMW M4が4位、SUBARU BRZ R&D SPORTが5位、apr LC500h GTが6位というトップ6になっている。 [オートスポーツweb 2024年09月22日]