【毎日書評】成功者と失敗者の違いはなにか?自己啓発の先駆者オリソン・マーデンのことば
本書の著者オリソン・マーデンは自己啓発の先駆者として知られるアメリカの成功哲学者で、19世紀末から20世紀初頭にかけて約30年間にわたり作家として活動しました。 本書はその思想の真髄をわかりやすく伝えるために、未邦訳の著作も含めて膨大な作品群から名言を抜粋し、超訳というかたちで簡潔にまとめたものです。(「はじめに 偉人オリソン・マーデンについて」より) 『最高の人生を約束する自分の磨き方』(オリソン・マーデン 著、弓場 隆 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の冒頭には、訳者によるこのような記述があります。 オリソン・マーデンは、1848年(1850年という説も)にスコットランド系移民の子としてニューハンプシャー州の寒村で生まれた人物。17歳のときに読んだイギリス人作家スマイルズの『自助論』に感銘を受け、それが作家を志す契機になったのだとか。 以後はボストン大学で文学修士、ハーバード大学で医学博士、ふたたびボストン大学で法学士の学位を取得したというのですから、才能の幅広さには驚かされるばかり。卒業後は実業家としてホテル経営に携わったのち、40代で自己啓発作家に転身したのだそうです。 世界中でベストセラーとなった1894年の『Pushing to the Front』(邦題『立身策』)を筆頭として、1924年に74歳で亡くなるまでに約50冊の著作を上梓。人格形成を通じ、物心両面で豊かな人生を送ることを提唱する実用的な成功哲学は、多方面から高く評価されたのでした。 政界ではセオドア・ルーズベルト大統領やイギリスのウィリアム・グラッドストン首相、産業界ではトーマス・エジソンやヘンリー・フォード、思想界ではナポレオン・ヒルやデール・カーネギーらに強い影響を与えました。(「はじめに 偉人オリソン・マーデンについて」より) そんな著者のエッセンスが凝縮された本書のなかから、きょうはII「粘り強く努力する」に焦点を当て、いくつかのことばをピックアップしてみたいと思います。