「プールの水で、水いぼがうつる」は間違い! 夏に患者が増える「水いぼ」について、小児科医に聞きました
「水いぼ」って知っていますか? 名前から、プールなどの「水」で感染が広がると思っている人も多いようですが、実はそうではありません。小児科医の黒澤照喜先生は「体に発疹(ほっしん)ができるとママ・パパは心配になってしまいます。たいていの発疹は数日から1週間前後で改善することが多いのですが、水いぼはそのような短期間で改善せず、時には増えてしまうこともあります。そのため、より心配になってしまうことが多いようです」と言います。夏に患者が増える水いぼについて、黒澤先生に聞きました。 【画像】写真で見る、赤ちゃん子どもが窒息する意外な食べ物とは?身近なものも危険
【水いぼ体験談】かかりつけ医に、はと麦茶をすすめられたけれど…
2022年初夏に4歳の子どもに水いぼができたという、神奈川県在住の田中さん(仮名)の体験談を紹介します。
太ももの内側にはっきりふくらんだ発疹を見つけて受診
田中さんは、当時4歳の娘さんの着替え中に太ももの外側に発疹を見つけます。発疹は直径約2ミリメートル程度ととても小さいのですが、はっきりとふくらんでいたそうです。 「とくにかゆがっている様子はなかったのですが、なんの発疹なのか心配だったのでかかりつけ医を受診しました。 医師からは『これは水いぼです。自然に治るでしょう。ひっかいて傷ができたり、数が急に増えるようでしたら再度受診してください』と言われました。塗り薬なども必要ないということでしたが、心配で質問を重ねると『もし気になるようでしたら、はと麦茶を飲むといいかもしれませんよ』とのことでした」(田中さん) 帰宅後、田中さんがインターネットで情報を検索すると、“はと麦にいぼを軽快させる効果があるらしい”という記事を目にしました。「さっそくはと麦茶を娘に飲ませようとしたのですが、いつも飲んでいる麦茶とは味が違うせいか、飲んでもらえませんでした」(田中さん)
スイミングスクールにも対応を相談
その後、同じくらいの大きさの水いぼが太ももとひざの裏に新しくできて、3つに増えてしまったそうです。 「治療は必要ないと言われたのに増えたことでちょっとあせりました。娘はスイミングスクールに通っていたので、スクールに対応を相談すると、『レッスンを休む必要はありません。参加するときは、水いぼが出ている部位が隠れるような水着、ラッシュガードを着用してください』と言われました。水いぼが脚に出ていたので、スクール指定の水着ではなく、脚全体を覆うレギンスタイプの水着を着用させ、担当のコーチにも水いぼが出ていることを伝えました。その後はとくにひどくなることや増えることもなく、2カ月くらいで自然に治りました」(田中さん)