「うちの子、言葉が遅い?」焦って必死で読み聞かせたりするのはNG!“発達が気になる子”の親がまずすべきこと
発語がゆっくりな子に、親ができることは?
言葉が遅いわが子に、悩んでいる保護者の皆さまへ…。実は、言葉が出る前にできる大切なことがあるかもしれません。アイコンタクトやジェスチャーなど、非言語コミュニケーションを育むことで、言葉の発達がスムーズになる可能性も! 16年間で約15倍に増えた発達障害だが…医師が警鐘を鳴らす、今増加する「発達障害“もどき”」とは そこで今回は、小児科の医師であり、自身も3児の母である西村佑美さんが、1万組以上の親子を診てきた経験や、発達特性のある子の子育ての実体験をもとに書いた書籍『発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)を一部抜粋してご紹介します。 発語前の子どもは、言葉がなくてもたくさんのことを伝えようとしています。それを読み解くためのヒントが詳しく解説されているので、どうか、参考にしてみてください。
アイコンタクト、ジェスチャーなど言葉を使わないやりとりが発語の土台
子どもはしゃべり出す前から、アイコンタクト、表情、発声、ジェスチャー(身振り、手振り)などを使って、人と関わる楽しさを経験し、相手の感情や物事を理解していきます。発語を促そうと、言葉のシャワーで話しかけたり、絵本や図鑑を必死で読み聞かせたり…言葉のインプットを急ぎがちですが、言葉を使わない非言語のコミュニケーションの力を先に身につけることが、発語の土台になるとされています。 信頼する専門家でママさん言語聴覚士 寺田奈々先生が、著書『0~4歳 ことばをひきだす親子あそび』で、言葉の表出の土台となる力をわかりやすく図解されています(下の図のコミュニケーション・ピラミッド)。いちばん下の土台の「注意&聴く」は、相手や物、出来事をじ~っと見る、話を聴くこと。相手に注意を向けて言葉や動作を模倣(マネ)しながら学び、言葉とコミュニケーション力は伸びていくのです。アイコンタクトは言葉とコミュニケーション力を伸ばす最初の重要な種まきになります。
土台の安定にはアイコンタクト+笑顔の習慣から!
下段ほど優先して育みたいことで、「注意&聴く(相手をじ~っと見る、聴く)」「人と関わる」「理解する」という土台の上に「言葉の表出(話す)」があります。「言葉を出そう、出そう」と焦ってしまうと、言葉がゆっくりなお子さんの子育ては苦しくなってしまいます。最終ゴールは、人と関わって意見や思いを通じ合わせる喜びを感じられるようにすること。会話だけにこだわらず、アイコンタクトやジェスチャー、文字、絵など幅広いコミュニケーション手段でやりとりの力を伸ばしていきましょう。 出典/『0~4歳 ことばをひきだす親子あそび』(小学館)