「うちの子、言葉が遅い?」焦って必死で読み聞かせたりするのはNG!“発達が気になる子”の親がまずすべきこと
ESDM エッセンス
生活の6場面で子どもの好き・興味を探してみよう ・オモチャ、または物を使った遊び・対人遊び ・食事 ・育児(入浴、オムツ交換、着替え、就寝時) ・本を使った活動 ・家事の手伝い 子どもがよく持っている、見ているオモチャや本、好きなおやつ、思わずニコッとすることなどを上の生活の6場面において積極的に探して見つけます。子どもにとって「楽しい=もっとやりたい!」と動機になるものを親子で共有できれば、人と関わる時間が増え、好きなことを通して言葉も吸収しやすくなります。 参考文献/『おうちでできるESDM ~親のための手引書~』(ASDヴィレッジ出版) 【例えば…】 ●カーテンをゆらゆらさせる、隠れるのが好き (子どもの動きに合わせて「ゆらゆら~♪」、「いないいないばぁ!」) ● 飛び跳ねるのが好き (手をつないでいっしょにジャンプ!) ● せんべい、ビスケットが好き (少量ずつ渡して「もっとちょうだい!」の要求の言葉・ジェスチャーも引き出す) ●こちょこちょすると笑う (オムツ交換、入浴後にバスタオルで体をふくときにわき腹こちょこちょ~♪) ● 乗り物の本をよく眺めている (子どもの正面に座り、乗り物の名前を指さししながら読む) 言葉の表出がゆっくりなお子さんは、物事の理解は進んでもうまく言葉にできないことがあります。 そこで次回は、ジェスチャーと言葉をセットで教えて意味を理解させる方法をご紹介します。
〈著者プロフィール〉西村佑美
発達専門小児科医/一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会 代表理事。日本大学医学部卒。小児科専門医。子どものこころ専門医。日本大学医学部附属板橋病院小児科研究医員。三児の母。最重度自閉症のきょうだい児として育ち、障害児家族に寄り添える仕事がしたいとの想いから医師を志す。2011年から日本大学医学部小児科医局に所属し、小児科医として大学病院に勤務。以降、のべ1万組以上の親子を診てきた。第一子出産後に発達障害についての専門性を深める中、自身の子にも発達特性があることが発覚。当事者家族として本格的な療育や知育、バイリンガル教育を行った経験を活かし、地方病院と大学病院で発達専門外来を新設する。しかし、医師という立場で育児の悩みに寄り添うことに限界を感じ、2020年「ママ友ドクターR」プロジェクトを始動。SNSでの情報発信や、主宰する「子ども発達相談アカデミーVARY」での活動等を通し、子育てに悩むママたちの支援を行ってきた。2024年、特性に対する新たな価値観と支援の場を社会に生み出すことを目的に、一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会を設立。
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