子供の頃見た“未来の車”にやっと乗れる? レトロフューチャー感が楽しいフランスのコンセプトカー3台
子供のときに映画やアニメで見た“未来の車”に乗れる日が、やっと来たか!? そんな自動車デザインの潮流を感じてしまったのは、今年9月に発表された3台のコンセプトカーが、いずれもどこか懐かしくて未来感がある車だったから。 ▶︎すべての写真を見る そんなレトロフューチャーなコンセプトカーを、早速ご紹介しよう。
もしもシトロエン「SM」が、50年間正常進化を遂げていたら
まずは、シトロエンの高級ブランドとして2014年に誕生したDSオートモビルのコンセプトカー「SMトリビュート」から。 今年9月に発表されたこのコンセプトカーは、その名の通りシトロエンの往年の名車である「SM」のトリビュートとして生まれた。
ご存知の人も多いだろうが、SMは1970年にデビューしたアバンギャルドな一台だ。他社のような立派なフロントグリルがなく、後輪が隠されたエクステリアがまず画期的。 さらに、ヘッドライトがステアリングを切った方向へ向いて行き先を照らしてくれたり、そもそも“魔法の絨毯”と評されるような、シトロエン独自の乗り心地を提供してくれるサスペンションシステム「ハイドロニューマチック」を備えるなど、中身も革新的で、今も中古車は高いプライスタグを掲げている。 当時の大統領専用車としても採用されたが(特別仕様のオープンカー)、残念ながらわずか5年で製造が中止された。 そんなぶっ飛んだ車が、今もしも後継車があったら!? そんな50年後の正常進化形態として作られたのがSMトリビュートというわけだ。
SM同様、後輪は隠しときますね~と言わんばかりに、タイヤは上と下をちょっと見せるだけ。 プラスチック系素材で覆われたフロントに収まるヘッドライトは、もはや“点の集合体”だ。きっと進行方向をサッと照らすのも、簡単にやってのけるのだろう。
メーターパネルも、センターコンソールに備わる湾曲したパネルも、ステアリングの中も、ディスプレイに見える部分はすべてプロジェクターだ。 つまり各種情報がパネルに投影される仕組み。なぜなら「そのほうが乗員の没入感を高めるから」と同社の技術者は語っている。