【エルムS】斤量を背負った実力馬は複勝率40% 注目血統フジキセキ持ちのプロミストウォリアに妙味あり
血統解説
・ドゥラエレーデ 母母マルペンサは亜GⅠ・3勝の名牝で、繁殖牝馬としても数少ない産駒からサトノダイヤモンド(2016年菊花賞、有馬記念)やリナーテ(2019年京王杯SC2着)などを輩出。本馬の母マルケッサはリナーテの3/4同血の妹で、ドゥラメンテ産駒の本馬は母父オルフェーヴルが主張した手先の強いマルチランナーに出ています。 豊富なスタミナと先行力が持ち味で距離はもっとあってもよさそうですが、斤量57kgとはいえ地力上位は明白。仕上がりさえ良ければ勝ち負け濃厚の一頭でしょう。 ・ナチュラルハイ スクリーンヒーロー×Pulpit×Alhaarthという軽い血統構成で、芝の新馬戦を制していることからもダートでは軽い馬場向き。稍重~不良馬場で3勝を挙げており、今回も馬場状態がカギとなりそうです。前走はマリーンSを勝利していますが、直近2年は前走ダート重賞組が3頭ずつしかいなかったのに対して、今年は7頭もいるハイレベルな顔ぶれ(サーマルソアリングは除外対象)。連勝のハードルはなかなか高そうです。 ・プロミストウォリア 母プロミストスパークは芝とダートで5勝を挙げたフジキセキ産駒で、本馬はマジェスティックウォリアー産駒の大型馬。父の産駒らしいストライド走法で、コーナー角の緩い札幌のダートコースはピッタリの舞台です。斤量58kgも実績馬の証。1年以上のブランクがどうかですが、シルクレーシングの馬であれば緒戦から態勢を整えてくる可能性は決して低くはありません。長期休養明けが嫌われるようなら馬券妙味は十分です。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大