パリ五輪コースは「池のあるリンクス」 フランス育ちの日本人キャディに聞いてみた
26日にフランス・パリで開幕した第33回オリンピック。8月1日から男子ゴルフ、7日からは女子ゴルフがそれぞれ4日間の日程で行われる。20歳までフランスで生活し、昨年同じル・ゴルフ・ナショナルで行われた「カズーオープンdeフランス」6位だった比嘉一貴のエースキャディ・神田七保海(かんだ・なおみ)さんにコースについて聞いてみた。 【画像】強そうなチームアメリカ。メダル何個取る?
フランスのゴルフコースといえば、ル・ゴルフ・ナショナルか、女子メジャー「アムンディ エビアン選手権」のエビアンリゾートGC。真っ先に2つの名前が挙がる。ル・ゴルフ・ナショナルは欧州大陸最古のナショナルオープンの会場として定着し、2018年の欧米対抗戦「ライダーカップ」、22年には中島啓太や馬場咲希が出場した「世界アマ」も行われた。 「でも、名門だから入りづらいっていうのは全くないですね」と明かす。フランス・シャモニーで生まれ、6歳ごろからゴルフを始めた神田さんも「フランスアマ」でプレーした経験を持つ。 オリンピックを開催するメインのアルバトロスコースに加え、エーグル(イーグル)コース、さらに9ホールコースもある。「日本のナショナルチームに当たるフランスのジュニア選手はフリー(無料)で、いつでも担ぎでプレーできるような感じ。そもそも、有名なコースのわりにそこまでプレーフィも高くないんです」
意外な“敷居”の低さとは裏腹に、コースとしてのポテンシャルはビッグトーナメントをホストするにふさわしい。パリの南西、ベルサイユ宮殿から近い開けた土地に造られ、隣に小さな飛行場もある。「周りに何もなくて、風通しがすごくいい。晴天で風もなかったら米国のコースをプレーしているような雰囲気なのに、雨が降ったり、風が吹いたりすると、急にスコットランドのリンクスに来たのかと感じるほどです」。その“二面性”こそが最大の難しさだ。 久常涼が通算14アンダーで制し、比嘉が最終組を回った前年「カズーオープンdeフランス」最終日は晴天に恵まれ、グリーンが急激に硬さを増して難度が跳ね上がった。直近10年の優勝スコアを見ても、2022年に16アンダーまで伸びた一方、5アンダーだった14年のようにガマン大会の様相を呈した時もある。