原発「最大9基の稼働進める」岸田首相会見7月14日(全文1)
1兆円の地方創生臨時交付金を活用
あす、第2回物価・賃金・生活総合対策本部を開催し、経済・物価の現状と対応策について議論を行います。まず地域の実情に応じたきめ細やかな支援を行っていくことが重要です。1兆円の地方創生臨時交付金を活用し、個人向けに低所得者への給付金の上乗せ、給食費支援、ヤングケアラーに対する配給支援、また、事業者向けに電気料金等の高騰に対応するための地場産業支援金や、水産、施設園芸、畜産の経営支援など、さまざまな対策を講じていきます。政府として引き続きこうしたさまざまな取り組みをフォローし、効果的な対応を全国に横展開してまいります。その上で、自治体の実施状況を踏まえつつ、必要に応じて地方創生臨時交付金をさらに増額し、対策をいっそう強化していきます。 また、エネルギー、食料品に関して、前回の本部で具体化を指示した対策を早急に実行に移します。まず電力需給逼迫の緩和と、実質的な電力代負担の軽減の両方に対応する新たな枠組みを設けます。そして食料品価格の上昇抑制策です。肥料コスト上昇分の7割を補填する新しい支援金の仕組みを設けます。秋に使う肥料への影響に対応できるよう、6月にさかのぼって支援をいたします。これらについて今月中に予備費を措置し、迅速に支援をお届けいたします。 今年の春闘では、賃上げは過去20年間で2番目に高い引き上げ率となりました。今年の最低賃金の引き上げを巡る議論も始まっています。物価上昇が続く中において賃上げを持続させていくことが重要です。賃上げの流れがよりしっかりとした、そして継続的なものとなるよう、総合的な取り組みを進めてまいります。
新時代リアリズム外交を推進
今後とも私が本部長を務める本部において、物価、景気の状況を把握し、5.5兆円の予備費を機動的に活用しながら、状況に応じた迅速かつ総合的な対応に切れ目なく取り組んでまいります。以上、喫緊の課題に絞って申し上げました。 もちろん激変する国際情勢の中での外交・安全保障、日本経済の再生を目指した新しい資本主義の実現に向けた動きの本格化、全世代型社会保障の構築など、ほかにも待ったなしで取り組んでいかなければならない課題は山積しています。外交・安全保障については8月以降も、1日から始まる核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議、そしてチュニジアでのアフリカ開発会議、TICADをはじめ、外交日程はめじろ押しです。こうした機会を積極的に活用し、私が先頭に立って首脳外交を進め、新時代リアリズム外交を推進していきます。 また、新たな安全保障戦略等の策定に向けた議論を加速し、5年以内の防衛力の抜本的強化の具体化を行います。あす、来年わが国で開催するG7広島サミットの事務局を立ち上げます。G7議長国としての重責を果たすべく、着実に準備を進めてまいります。新しい資本主義については、例えばスタートアップ、5年、10倍増を視野に入れた5カ年計画の策定、官民の持続的な投資を引き出し、GXを進めていくための今後10年間のロードマップ策定など、具体策の検討を加速します。 日本は内政も外交も幾重にも重なり合う多くの課題に直面をしています。今回の選挙で国民の皆さんからいただいた力は、政治の安定を実現し、大胆に政策を決断、実行し、これらの課題に立ち向かっていくための力です。この力を最大限に生かし、1つ1つの課題に正面から向き合っていきます。この難局を乗り越えていくためには、国民の皆さんの信頼と共感こそが何よりも大切と肝に銘じて仕事を進めてまいります。引き続き国民の皆さんのご協力をお願いいたします。