斎藤兵庫県知事、代理人に丸投げ…代理人は困惑&返答に詰まる場面も “公選法違反疑惑”の解明に至らず
兵庫県の斎藤元彦知事が27日、再選後初となる定例会見を行った。同県西宮市のPR会社「merchu(メルチュ)」の折田楓代表がブログに、選挙期間の「広報全般を任された」などと仕事として請け負ったと取れる文章を投稿し、公選法違反の指摘が出ている渦中の会見。斎藤氏はブログについて「聞いていないし、内容も知らなかった」と説明した。報道陣からは見解を問う質問が相次いだが、これまで通り、ポスターの制作費などで「70万円を支払っただけ。法令に抵触することはなかった」「折田さんはボランティアという認識だった」とした。 SNSの戦略について折田氏はブログで詳細に説明しているが、斎藤氏は「自分と陣営で主体的にやっていた」と訴えた。ただ、折田氏が演説の動画撮影をするなど深く関わっていた事例などを挙げられると「代理人に聞いてもらいたい」「法的なことは代理人にお願いしている」と繰り返した。 斎藤氏から対応を“丸投げ”された代理人の奥見司弁護士が斎藤氏の会見終了後、報道陣への説明の場を設けた。奥見氏によると、選挙のボランティアを探していた斎藤氏が9月下旬、支援者から折田氏を紹介され、同29日にメルチュの事務所を訪問し、ポスターやチラシの制作、SNS運用の話をした。翌日以降、プランと見積書が届き、ポスター制作費などで70万円支払ったという。 奥見氏は運動員買収などの公選法違反には当たらないと強調。「ブログはうそか」と問われると「事実と、全く事実でない部分が記載されている。そういう意味では“盛っている”と認識している」と話した。 斎藤氏が“核心”に言及しない中、「今一番答えられる」と話した奥見氏だが、会見後半、折田氏がブログの一部を削除・修正したことを把握していなかったことが判明。記者に質問されると、手元にあるブログをプリントアウトしたものをめくり「私の持っているのと違う」とあたふた。「ちょっと見せてください」と記者に確認を求めた。奥見氏が今回の件に関わりだしたのは22日。斎藤氏から十分な説明を受けていないとみられ、たびたび返答に詰まった。会見は約2時間続いたが、疑惑の解明とはならなかった。