原発「最大9基の稼働進める」岸田首相会見7月14日(全文1)
若い世代の3回目接種率は3~5割台
また、その間、高齢者などリスクの高い方々を守り、医療提供体制の人員を確保するため、関係審議会に諮った上で、全ての医療従事者、および高齢者施設の従事者、約800万人を対象とし、4回目接種を行うことといたします。自治体と連携して、あすから準備を始め、来週以降、速やかに接種を進めます。 若い世代の皆さんにはワクチン3回目の接種を重ねてお願いいたします。現在お住まいの場所でも、また、帰省先でも接種できますので積極的にご検討ください。現在、10代から30代など若い世代を中心に感染者が急増しています。若い世代の約8割の皆さんが2回目接種を終えていますが、3回目の接種率は3割から5割台にとどまっています。若い方であっても重症化したり、倦怠感などの症状が長引いたりする可能性があります。3回目のワクチン接種は皆さん自身を守るだけではなく、家族、友人、高齢者など、大切な方を守ることにもつながります。ご理解とご協力をお願いいたします。 これから夏休みを迎え、世代間での交流も増えます。帰省前などには、全国約1万3000カ所の無料検査拠点で検査を受けていただけるほか、主要な駅や空港等で100カ所以上の臨時の無料検査拠点を整備いたします。国民の皆さんには手指消毒、また、室内で話すときのマスク着用などの基本的な感染対策へのご協力に感謝を申し上げます。重ねてお願いになりますが、特にこの夏は、冷房でこもりがちになる室内、飲食店内での十分な換気をお願いいたします。こうした足元の感染拡大への対応策について、あす、政府対策本部で決定をいたします。国民の皆さんのご協力をいただき、感染防止と社会経済活動の両立に心を砕きながら、しっかり対応していきます。
火力発電の供給能力、10基追加確保を指示
第2に、国民生活に大きな影響があるエネルギー対策と物価高対策です。まずエネルギーの安定供給確保です。この夏の電力供給については、政府からの要請も踏まえ、関係の皆さんのご努力により、全国で10以上の火力発電所の運転が次々と再開し、電力の安定供給を確保する見通しが立ちました。熱中症も懸念されるこの夏は無理な節電をせず、クーラーを上手に使いながら乗り越えていただきたいと思います。 しかしながらこの冬については再度、需給逼迫が起こることが懸念されています。なんとしてもそうした事態を防いでいかなければなりません。私から経済産業大臣に対し、できる限り多くの原発、この冬で言えば最大9基の稼働を進め、日本全体の電力消費量の約1割に相当する分を確保するとともに、ピーク時に余裕を持って安定供給を実現できる水準を目指し、火力発電の供給能力を、追加的に10基を目指して確保するよう指示をいたしました。これらが実現されれば、過去3年間と比べ最大の供給力確保を実現できます。政府の責任においてあらゆる方策を講じ、この冬のみならず将来にわたって電力の安定供給が確保できるよう全力で取り組みます。 次に物価高騰です。今回の物価高騰はロシアのウクライナ侵略がもたらした世界的な問題であり、各国とも大幅な物価高に直面をしています。そうした中で先般のG7サミットにおいては、G7が団結してこの困難を乗り越えていく決意を共有し、ロシア産原油を一定の上限価格以上では買わない、買わせないための仕組みをつくることや、世界の食糧庫といわれるウクライナの小麦輸出を再開させるさまざまな支援措置などについて一致をいたしました。 こうした国際社会の動きは、例えば足元、小麦の先物価格がウクライナ侵略後のピーク時より約4割下落するなど、国際商品市場に好影響をもたらしつつあります。国内においても物価上昇が国民生活に大きな影響を与えていることを重く受け止め、地域の実情に応じたきめ細やかな支援や、物価上昇のほとんどを占めるエネルギーや食料について、集中して対策を講じています。引き続き世界レベルから地域レベルの取り組みまで切れ目なくしっかりとした対策を実施し、国民生活を守り抜きます。