埼玉が18年ぶり4度目の優勝 最終9区山ノ内が逆転 東日本女子駅伝
第39回東日本女子駅伝(10日、福島市の誠電社WINDYスタジアム=9区間、42.195キロ)埼玉が2時間19分7秒で2005年以来、18大会ぶり4度目の優勝を果たした。区間賞を獲得した選手はいなかったが、6区4位から1つずつ順位を上げ、最終9区(10・0キロ)で2019年世界選手権(ドーハ)女子1万メートル代表の山ノ内みなみ(31)=しまむら=が逆転。今年が最後の開催となった大会で、有終の美を飾った。群馬が2位、前回優勝の東京が3位に入った。 【写真】優勝し、写真撮影に臨む埼玉県チームの選手たち 最後の福島路を全力で駆け抜けた。澄み切った青空の下、福島県出身で埼玉代表の山ノ内は両手を広げてゴール。逆転優勝に導いた31歳はチームメートに胴上げされた。 「実業団に入ってから初めての万歳をしました。シャイなので今まではできなかったが、きょうはちょっと地元愛と喜びが出てしまった」 全9区間で区間賞はなし。全員の力で勝利をつかみ取った。2区から7区まで長野が首位を独走。それでも先頭と30秒差でたすきを受け取ったアンカーの山ノ内は、黙々と長野を追い上げ、6キロ付近で先頭に立つと、群馬の猛追も振り切った。 山ノ内は福島・南会津町生まれ。3歳で郡山市へ移住した。小学生のときから市民レースに出始め、中学時代は800メートル専門で、その後はトレイルランニングに取り組んだ。2017年に実業団の京セラに入社し、19年の世界選手権(ドーハ)では日の丸を背負った。22年からは埼玉を拠点とする実業団のしまむらで鍛錬する。 チーム最年長の31歳は、福島開催の東日本女子駅伝を小さい頃から見ていた。「ラストなんだなと感じてしまった。若い選手と福島の話題になるのがこの大会で、すごくうれしく思っていたが、これから未来に向かって進むべきだと思った」としみじみ。自身も本格的なマラソン挑戦に向け、新たな一歩を踏み出す。 幾多の名ランナーを輩出した大会が幕を閉じた。福島で競い合い、学んだことを糧に、広い世界へ羽ばたいていく。 ♥1区の福山若奈(埼玉栄高2年) 「もう少し先頭との差を詰めたかったが、それでも優勝できて感謝の気持ちでいっぱい」