別れ話中 パキスタン人たちが刃物で乱入 妻を奪われたときの「恐るべき掟」 話の肖像画 夢グループ創業者・石田重廣<23>
《思わぬ事態が…》
前に話しましたが、香港の住宅兼仕事場にはメイドさんたちの男友達のパキスタン人たちが出入りしていたんです。で、この別れ話を見ていたパキスタンの男性が、いきなり誰かに電話をした。すると、別のパキスタンの男性2人が大きな刃物をもって現れた。
「パキスタンでは自分の妻を奪われたときには相手の男の両腕を切り落としてもいいんだ。ボスがやらなきゃ、俺たちがやる」と。僕はボスと呼ばれていたんです。パキスタンの男性たちはもう相手の男性を羽交い締めにしている。おいおい、ここはパキスタンじゃなくて香港だぞって、逆に冷静になりましたね。
で、「妻もその人も一緒になりたいって言うんだから、仕方ないだろう。子供をいらないと言われたときに覚悟は決めたよ。その人の手を切り落としてしまえば仕事ができなくなり、それで妻が戻ってこられても困るから」と諭したんです。パキスタンの男性たちは不思議そうな顔で僕を見ていました。(聞き手 大野正利)
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