「不登校は病気と診断」全国初の不登校専門クリニック、前に進むための医学的アプローチ #令和の子 #令和に働く
不登校の子どもたちの実態
令和4年度の文部科学省の調査によると、小中学校の不登校児童生徒数は前年度から5万4108人増加し、29万9048人でした。 これは過去最多の数字であり、10年前と比べると約2.6倍です。 不登校児童数が増加した背景には、新型コロナウイルス感染症の影響や、SNSの普及による人間関係の変化、学校や社会のプレッシャーの増大など、複合的な要因があると飯島さんはいいます。 「不登校児の増加を懸念する一方で『学校に行かない』という選択肢があることによって、子どもたちが自分に合った学び方や、生き方を見つける機会になる場合もあるため、この数字の増加は必ずしもネガティブな面ばかりではないと私は考えています」 子どもたちの不登校の原因は複雑で、一人ひとり異なりますが、飯島さんが関わってきた中での原因としては下記が多くみられるといいます。 1. いじめや友人関係の問題 2. 学業のプレッシャーや学習の遅れ 3. 家庭環境の変化(離婚、転居など) 4. 発達障害やその他の精神疾患(うつ病、不安障害など) 5. 学校システムへの不適応 心理状態としては、不安、抑うつ、自己否定感、無力感などが見られ、社会からの孤立感や将来への不安を抱えている子どもも少なくありません。
出雲いいじまクリニックが語る必要なケア
飯島さんは、不安や無力感を抱える子どもたちには、安心できる安定した環境の中で、一人ひとりの状況に応じた適切な医療的・心理的サポート、学習支援、そして家族や学校との連携が重要になると話します。 不登校になる子どもたちに多い特徴として「高い感受性や繊細さ」「完璧主義的な傾向」「他者の評価を気にしすぎる傾向」などが挙げられ、適切なサポートがないと自信の喪失につながってしまうことも。 「しかし、これらの特徴は裏を返すと素晴らしい長所になり得ます」と飯島さんは話します。 大切なのは、不登校の子どもたちを孤立させず、適切なサポートを提供し、その子自身の長所としていい面を伸ばしていくことなのです。