【円山動物園】オオワシの最長飼育記録を更新。「私より年上」「小学生のとき写生会で描いたアイツ」と大反響。その年齢は?
オオワシの飼育・保護を行なっていることで世界的に知られる北海道札幌市の「円山動物園」が、同園におけるオオワシの最長飼育記録を更新しました。 X(旧Twitter)の公式アカウントでの発表が、大きな反響を呼んでいます。 【動画を見る】最長飼育記録を更新しても、まだまだ元気いっぱいのご長寿オオワシ
話題になっているのは、6月13日に円山動物園がXに投稿した動画です。 「ついに円山動物園で飼育していたオオワシの最長飼育記録を更新しました!」という説明とともに投稿された動画には、元気な姿を見せるオオワシが写っています。 このオオワシは、1973年2月8日に0歳で保護されたもので、年齢は推定51歳。 円山動物園の投稿によると「オオワシの寿命は飼育下で50年ほどといわれています」とのことで、このオオワシは、かなりのご長寿。パッと見た感じでは、まったく衰えた様子もなく、とても元気そうです。
偉大な記録を達成したご長寿オオワシにSNSでは、 「私より年上さんだ~」 「これからもお健やかに」 「まだまだ長生きしてね」 「じゃあこいつは小学生のとき写生会で描いたアイツだったのか…?」 などの温かい応援や、同世代の人たちから親近感を抱いたという感想が寄せられています。
過去に世界最長飼育記録を達成していた円山動物園
過去の最長飼育記録を見ると、同園で飼育されていた「バーサン」というオオワシがいました。 こちらは、1951年2月20日に幼鳥で保護され、2002年の5月17日に推定52歳で死亡。記録としては51年2カ月27日の飼育となり、当時の世界最長飼育記録を更新しています。 今回の長寿オオワシ(個体名の愛称はなし)は0歳で保護されたので、年齢としてはバーサンよりも若い推定51歳。このまま飼育記録が更新され続ければ、バーサンを超える年齢まで長生きできる可能性も……!?
BuzzFeed編集部は、円山動物園さんにお話を伺ってみました!
――最長飼育記録のオオワシを含めて、円山動物園では何羽のオオワシを保護されているのでしょうか? 「現在は、保護個体3羽、飼育下繁殖個体6羽の合計9羽を飼育しています。年齢は7歳~51歳とさまざまです。現在野生復帰のために訓練している保護個体はおらず、現在飼育中の保護個体は交通事故などによって野生復帰不可能と判断され、動物園で終生飼育(死ぬまで飼育)することとなった個体です」 ――円山動物園では、数を減らしつつあるオオワシを保護するための「オオワシ・プログラム」にも取り組まれていると伺いました。活動の内容について、お聞きしてもよろしいでしょうか? 「飼育下繁殖個体の野生復帰技術はいざという時に絶滅の危機に瀕した動物を救う手段となりますが、トキ、コウノトリなどの過去の保護事例では飼育下繁殖個体の野生復帰技術が確立される前に絶滅しています。このことから、オオワシについてはまだ個体数が十分に残されている今のうちから飼育下繁殖個体の野生復帰技術の確立に取り組むことが必要となります」 「そのため、当園では平成20年度より「オオワシ・プログラム」を開始し、円山動物園で繁殖した個体を繁殖地であるロシアで放鳥する技術の確立に向けて準備を進めてきました」 「これまでにはオオワシの飼育下繁殖や猛禽類の訓練を行う専用施設の確保(円山動物園猛禽類野生復帰施設)、国内で飼育されているオオワシ個体群の遺伝的安定を保つための管理、オオワシの飼育繁殖技術に関する知見集積などを行ってきました」 「試験放鳥を計画するにあたり、『オオワシ野生復帰検討委員会』という場を設け、オオワシ保護に携わる関係機関や研究者の方から助言をいただきながら、進めているところです。いまだ具体的な放鳥までは至っていませんが、現段階では、まずはオオワシの現状やこれらの取り組みについてより多くの方々に理解していただけるよう、周知啓発を行っていきたいと考えています」