中国初の商業宇宙港で打ち上げ成功–新型ロケット「長征12号」が初飛行
中国は現地時間11月30日、新型ロケット「長征12号」を打ち上げた。実験衛星2機を軌道に乗せることに成功した。 直径3.8mで全長62.6mの長征12号(Long March 12:LM-12、Chang Zheng 12:CZ-12)は、中国ロケットの長征シリーズの最新モデル。上海航天技術研究院(Shanghai Academy of Spaceflight Technology:SAST)が製造する。燃料にはケロシンと液体酸素を使用し、地球低軌道(LEO)に12トン、太陽同期軌道(SSO)に6トンを投入できるという。 長征12号は同国初の商業宇宙港である海南商業宇宙発射場からの初飛行となった。発射場は赤道に近いことから、打ち上げ燃料の削減と積載量の増加につながることが期待されている(海南省には既存の射場として文昌衛星発射場もある)。 同発射場は、中国国有企業の海南国際商業宇宙発射(Hainan International Commercial Aerospace Launch:HICAL)が2022年7月に建設に着工し、40億元(約830億円)以上を投資してきた。最初の発射台は2023年12月に完成し、2つ目は2024年初めに完成。それぞれ、年間16回の打ち上げに対応している。
塚本直樹