名スカウトが選んだ夏の甲子園で光ったドラフトの逸材
捕手にも好素材が多かったという。 捕手出身の片岡さんは、捕手の目利きが自慢だが、智弁和歌山の東妻純平、中京学院大中京の藤田健斗、近江の有馬諒の3人の名を挙げた。 「肩の強さ、捕ってからの俊敏性、ブロッキング、頑丈さなどキャッチャーの必要条件を満たしキャッチャーらしいキャッチャーが中京学院大中京の藤田だろう。東妻は、そこにプラスして打撃センスが光る。監督は、元プロのキャッチャーの中谷仁。しっかりと技術を伝授されているんだと思う。野球を知っているな、というシーンが随所に見られた。有馬は、肩と守備力は文句なしだが、総合力では今大会の出場の捕手の中では3番手の評価にした」 片岡さんは、9人のリストには入れなかったが、「守りのいい好ショートも目立った」と、智弁和歌山の西川晋太郎、関東第一の渋谷嘉人という2人のショートストップの名前を出した。 「渋谷の守備は抜群。鍛えられている。プロでもショートは守備優先だ。ただ打てなければ、なかなか使ってもらえないという現実はある。どちらかと言えば西川はバッティングにも目がいくショートだ」 片岡さんがリストアップした9人中7人がまだ勝ち進んでいる。 「高校生の夏は調子の良し悪しが激しくてスカウトからすると見極めが難しい。それだけに甲子園で好調、成長をアピールして印象づけておくことが選手にとっては重要になる」 片岡さんは、そうドラフト候補たちへエールを送った。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)