【大混戦セ・リーグ】ペナントの命運を握るのは5番打者⁉︎ 小笠原道大が上位4球団を徹底解説
── 現在のセ・リーグを見ても、5番の役割は大きいと? 小笠原 4番を打つ広島の末包昇大、巨人の岡本和真がいい場面で打っているだけに、5番打者がしっかり打たないといけません。阪神は昨年と比較して、全体的に打線が低調な気がします。 【坂倉将吾は球界を代表する「打てる捕手」になる】 ── 広島は、坂倉将吾選手が前半戦は絶不調でした。 小笠原 4月、6月の打率が1割台と苦しんでいました。それがオールスターでセ・リーグの岡田彰布監督がチームの編成上、捕手が足りなかったので坂倉を選んだらしいです。その坂倉は、オールスターで史上3人目となる満塁アーチをきっかけに復調。7月は打率.333、8月は.362と大活躍でした。 ── 結果的に、岡田監督が敵の選手を目覚めさせる形になってしまいました。 小笠原 坂倉ですが、私が中日の二軍監督時代にウエスタンリーグで見たことがあったのですが、面白い存在だなと思っていました。長打力があるし、粘り強く四球も選べる。プロ5年目の2021年にいきなりセ・リーグの打率2位になるなど、レギュラーに定着しました。技術が備わってきて、3番も5番も打てる打者になりました。 ── 坂倉選手は小笠原さんと同じ捕手出身で、一塁も守ります。 小笠原 そこは少し状況が違って、私の場合はプロ入り当初、出場機会を増やすためアマチュア時代に経験のあった捕手をやりましたが、坂倉の場合は捕手をやりたいようです。 ── 現在の広島は、坂倉選手を含め會澤翼選手と石原貴規選手との「捕手3人制」を敷いています。 小笠原 床田寛樹、九里亜蓮、アドゥワ誠が先発の時は、坂倉はスタメンマスクをかぶっています。現在は捕手と一塁手、与えられた守備位置でいい結果を出しています。捕手は重労働だし、いろいろ考えなくてはいけないことが多いです。打撃と守備で、頭の整理がうまくいっている時はリードにも生きてくると思います。