【大混戦セ・リーグ】ペナントの命運を握るのは5番打者⁉︎ 小笠原道大が上位4球団を徹底解説
ペナントレースもいよいよ大詰めを迎え、優勝争いが激化している。なかでもセ・リーグは巨人、広島、阪神、DeNAの4球団が5.5ゲーム差のなかにひしめき合うなど、史上稀に見る大混戦となっている。そんな状況のなか、今後のカギとなるのはどこなのか? かつて強打者として日本ハム、巨人、中日でプレーした小笠原道大氏に聞くと、「5番打者」をポイントに挙げた。はたして、その根拠とは? 【写真】阪神タイガース「TigersGirls」2024年全メンバー(17人)甲子園球場で撮り下ろし! ※成績は9月10日現在 【5番をポイントに挙げたワケ】 ── セ・リーグが大混戦です。シーズン終盤まで熾烈な戦いが続くと思いますが、小笠原さんはどこに注目されていますか。 小笠原 まず、投打とも普段の力をどれだけ発揮できるかが重要になるのは間違いありません。そのなかで、抜け出す可能性があるとすれば、得点力のあるチームかなと。打線でいうと、チームの命運を握っているのは5番打者のような気がします。 ── 日本ハム時代、巨人時代と小笠原さんはおもに3番を担ってきましたが、5番打者についてどのような打者を置くといいでしょうか。 小笠原 前提として、4番が勝負されるシチュエーションをつくることがベストです。そのためには5番がしっかり機能していないと、チャンスで一塁が空いている場合は、4番との勝負を避けられてしまう。5番は打線の真ん中に位置し、1番~4番と6番~9番をつなぎます。ポイントゲッターであるクリーンナップの最後の砦でもあり、4番打者同様、勝負強さが求められます。 ── 5番打者の活躍で印象深いシーンはありますか。 小笠原 2006年のソフトバンクとのプレーオフ第2ステージ、相手投手は斉藤和巳さん。日本ハムは9回裏二死一、二塁のチャンスに、5番の稲葉篤紀さんが二塁へ内野安打。一塁走者だった私が二塁に滑り込む間に、二塁走者の森本稀哲がサヨナラのホームを踏み、日本シリーズ進出を決めたシーンです。斉藤さんはソフトバンクの絶対的エースであり、得点を奪うどころか、チャンスをつくるのも難しい投手でした。それだけに少ないチャンスをものにし、日本シリーズに進めたということも含めて印象に残っています。