古墳王子の2024年歳末総決算!大ニュースの陰に隠れた考古学的新発見に刮目せよ
連載/古墳王子の早口コラム
こんにちは、小学生の頃から古墳の魅力に目覚め、訪ねた古墳は3000基以上の高校生、古墳王子です。 【写真12枚】古墳王子が訪ねた考古学的新発見の写真を一気に見る! このコラムでは皆さんにディープでマニアックな古墳の魅力が伝わるよう、僕が感じた感動や発見をオタク特有の早口でお伝えしていきます。
古墳王子の2024年歳末総決算!
2024年も残すところあとわずか。今年は様々な古墳ニュースや話題の特別展が目白押しで、歴史ファン界隈だけでなく幅広い層で考古学が大いに盛り上がった一年でしたね。 (編注:元記事は2024年12月に執筆されたものです) 今まで、なかなか遺跡や埋蔵文化財にご縁や興味がなかった皆様に、古墳や埴輪の存在を注目いただけたことは大変喜ばしく、その可愛さやユルさにハマってしまう方も増えたのではないかと思います。 また世紀の大発見の成果を生きているうちに一目見ようと、お年を召された方々を奮い立たせ大行列となった富雄丸山古墳出土・蛇行剣の初公開もありました。 しかし!そんな世間が大フィーバーしているニュースの陰で、実は他にも素晴らしい発見があった古墳や大変貴重な出土品を蔵出しした特別展開幕など、日々さまざまな考古学的ニュースは発表されています。そこで今回は数ある文化財ニュース速報のなかでも特にぼくが刮目して馳せ参じた特ダネを厳選してお伝えします!
【2024年前半】富雄丸山古墳出土の蛇行剣初公開ニュースの陰では何が!?
2023年1月に日本全国を大いに騒然とさせた、富雄丸山古墳の巨大な蛇行剣と盾形銅鏡出土のニュースは、その興奮も覚めやらないまま、翌2024年春に、応急処置と分析を終えた蛇行剣のみ、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館にて初公開となったのは、記憶に新しいですね。 今回は、保存処理前の短期間限定公開ということもあり、全国から老若男女問わず多くの人々が集まり、その数なんと1万6千人に達したという。 もちろんぼくも公開4日目の夕方にお伺いしましたが、今までの博物館通いではありえないほどの人出と、「九州から飛行機で来た」「私は関東から新幹線で」「生きてるうちにひと目見たい」などなど、ご年輩の方々の声を多く聞いたし、入館を待つ列はまるで蛇行剣のように長く、そして幾重にも波打っていたことに驚きを禁じ得ない出来事であった。 またその蛇行剣初公開に先立ち、富雄丸山古墳の発掘調査現場で公開された、木棺と水銀朱の生々しさよ!こちらも大変長い大行列だったと聞く。 そんな大ニュースの陰にすっかり隠れてしまったようだが、ぼくが刮目したニュースは他にも3件ございます。