坪井翔&愛未、スーパーフォーミュラとKYOJO CUPで史上初!? の夫婦優勝なるか&坪井家の併催時のマイルール
今週末に富士スピードウェイで開催されるスーパーフォーミュラ(SF)第4戦はスーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)、インタープロト、KYOJO CUP、そしてポルシェカレラカップジャパンと併催レースが盛りだくさん。特にSFとインタープロト、KYOJO CUPは初の併催とあって、いろいろ話題も多い。 その中で今回、注目したいのがSFに参戦している坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)と、KYOJO CUPに参戦している坪井の妻、齋藤愛未(Team M 岡部自動車 D.D.R VITA)の夫妻ドライバーの活躍だ。 2022年に結婚した坪井夫妻、ふたりはカート時代からの知り合いで、小学生の時には同じレースで戦ってもいたというライバル関係でもあった。その幼馴染にして、同じ現役のレーシングドライバーという坪井夫妻。これまでインタープロトとKYOJO CUPというカテゴリーでは同日&同じサーキットでのレース参戦はあったものの、スーパーフォーミュラという国内トップカテゴリーとKYOJO CUPでの夫婦同日参戦は初めてになる。 まずは夫、坪井に今週末は坪井家としてどのようなスタンスでレースに臨むのかを聞いてみる。 「もちろん、応援していますので、彼女には頑張ってもらいたいですし、手伝えることは手伝いますけど、基本ベースとして僕はスーパーフォーミュラを重視していますし、彼女も去年チャンピオンを獲っているTEAM Mで三浦愛監督がいますので、今年は特に僕が何か口を出すようなことはないかなと思っています」と坪井。 これまでのKYOJO CUPでは、妻の愛未選手を近くで見守る坪井の姿がよくレース関係者に目撃されていたが、さすがに今回はスケジュール的にもそこまでの時間の余裕はないようだ。 「もちろん、時間があればモニターで見ていますけど、今週末は基本的に放任と言いますか、僕は僕、彼女は彼女という感じでやるということになります。それくらいのテンションです。逆に向こうはこっちのことは全然、気にしていないと思うので(苦笑)」 「KYOJO CUPは2レースありますので何かと忙しいというのもありますし、彼女から僕に何か言ってくることはまずないので、もちろん、心の中では応援してくれていると思いますけどね。ですので、お互いのレースのスターティンググリッドで応援に行ければいいなというくらいで、あとはそっと見守るという感じなると思います」と話す坪井。 一方の妻、愛未選手、まずは今回のSFとKYOJO CUPの初めての併催に喜んだ。 「やっぱり、併催はすごく嬉しいですよね。KYOJO CUPは年々、見てくれている方が増えていますけど、スーパーフォーミュラほどではないと思いますし、今回、注目度が高くなって多くの方の目に触れて頂けるということが嬉しいです」 さらに、ドライバーとしての一面も見せた。 「あとは個人的にはスーパーフォーミュラのハイグリップなタイヤのゴムが乗った路面を走れるというのも楽しみですね。その路面をどう攻略すればよいのか、新しい課題を考えていくのも、また速いドライバーになれるきっかけになると思うので、すごく楽しみにしています」 今週末は夫とのスーパーフォーミュラでの初の併催レース。いつもと違う部分はあるのだろうか。 「KYOJO CUPとインタープロトでは一緒になることはありましたけど、インタープロトの時はこんなにピリピリしていないというか(苦笑)、今回のようにピリピリした感じは初めてですね」と愛未選手。 「やっぱり、これまでとは違いますよね。今日(金曜日のKYOJO CUP予選)だけでも、いつもよりこっちに来てくれる回数が少ない(笑)。お互い、今回は自分のことに必死なので、顔を合わせる機会がいつもより少ないです」と続ける。 ちなみに、夫は「彼女は僕のこと、気にしていないと思う」と言っていたが……。 「そんなことないですよ! ちゃんと気にしています! 自分のレースが終われば、スッキリして(坪井の)レースを見ることができると思います。自分のレースの前だと、まだまだ課題がいっぱいあるのでデータロガーを見たり、やらなければいけないことがいっぱいあるので、ちょっと見れないかもしれないですけど(苦笑)」 そしてやはり気になるのが、レースウイーク中の夫婦の会話。やはり、ドライバー同士ということでレースや走りについての話題が多くなるのだろうか。お互いがアドバイスし合うようなことがあるのだろうか? 「私はアドバイスはもらうことはありますけど、こちらからすることはないです。お互いがレースをしている時は私にそこまで余裕がないのもありますけど、主人の走りや技術面についていうことはないですね。主人の方が全然速いですし、すごい高い次元で走っているので。イライラしている時に冷静になるようにメンタル面のことを言ったり、食事に関して言うくらいですね」と愛未選手。 これまで夫、坪井からはどんなアドバイスを受けてきたのだろう。 「主人がドライバーとしてちょっと天才的な部分があるので、言っていることが次元が違いすぎてよく分からないことが多いんですね。チームの三浦愛監督の方が噛み砕いて教えてくれるので、その点では三浦監督の方を頼りにしています(笑)」 なんとも、ドライバー同士にしか分からない夫婦仲。さらに最後、愛未選手は坪井家のマイルールを明かした。 「私たち、サーキットの行き来を同じクルマで移動しているのですけど、その週末の帰りのクルマは、賞金を多く稼いだ方が助手席に座って帰れるという決まりがあるんです」 今季の実績としては、「前回(インタープロトとKYOJO CUPの併催時)は私が助手席に座って帰りました(笑)」と、笑顔を見せる愛未選手。 今週末のスーパーフォーミュラとKYOJO CUPの初の併催、もしも夫婦揃っての優勝になれば、おそらく国内トップフォーミュラとしては初の快挙となるはず。KYOJO CUPの優勝賞金は120万円、SFの賞金は現在は明らかになっていないが、サーキットからの帰りにもし坪井夫妻のクルマに出会った時は、ふたりのポジションで金額を察してほしい。 [オートスポーツweb 2024年07月19日]