「努力が続かない=意志が弱いから」は間違いかも。経済学博士が教える“努力を仕組化する3つのコツ”
努力の継続には、“他人の力”を利用すべし
他にも、行動経済学の考えによると、「他人の力」を借りることで、努力を継続するための効果をより発揮しやすいという。 「何か努力をしたいことがあれば、他人とグループを作って取り組んで、お互いの成果をフィードバックし合うのも効果的です。自分一人では怠けてしまいやすいことも、他人と一緒に頑張ることで達成しやすくなります。 また、コミットメントとして他人にやりたいことをあらかじめ宣言しておくのもいいでしょう。宣言することで『有言実行しなければ』と自分を追い込むことができます」 このようにいくつかの仕組みを組み合わせるのもおすすめだ。「一つのやり方にこだわりすぎるのではなく、いろいろなやり方を気軽に試してみることで、自分に合った努力の仕組みがわかってくる」と山根さんは話す。
毎朝コップ1杯の水を飲むことが「努力」につながる?
とはいえ、どうしても努力が苦手だと感じることもあるかもしれない。 山根さん曰く、そんなときは小さな成功体験を積むといいのだそう。 「努力を続けるには、やれば報われるということを知ることが大事です。なので、絶対にできることから始めて徐々にステップアップしていくのをおすすめします。そのはじめの一歩として『朝起きたら、コップ1杯の水を飲む』というような、誰にでもできる簡単なことから習慣化するのもよいでしょう。 そもそもなぜ努力が続かないのかといえば、成功体験がないから。努力して成功したことがないからやる気が出ない、だから続かないという悪循環に陥りがちです」 努力の継続に重要なのは「自分の力でどうにかできる」と感じることだと、山根さんは言う。どんなことでもよいので、まずは簡単なことを自分に課して、「習慣化できた」という成功体験を積んでいくとよいそうだ。 「私も過去に、努力をしたことがないという人と何人か出会ったことがあります。そういう人たちは、なにかと上手く競争から逃げてきたタイプが多い。ただ、競争から逃げると成功体験が身につかないんですよね。 対して、競争を潜り抜けてきたタイプは努力が得意な人が多い。成功体験を積む機会がないと、努力もできなくなっていくのだと思います」