過保護な親になってない?「不登校」を解決するには、親が子どもを“精神的に手放す”べきワケ
年々増加していると言われる“不登校”。もし我が子が学校に足が向かなくなってしまったら……。そんなときは親が先回りして行動するのではなく「子どもから精神的な自立をする」ことが大事だそう。 「学校に行けず、昼夜逆転…」引きこもり専門カウンセラーが警鐘を鳴らす、子どもが不登校になったら親がやってはいけないこと 今回は、不登校・引きこもり専門カウンセラーの今野陽悦さんの著書『学校に行けない子どもの気持ちがわかる本』から、「親が子どもを“(精神的に)手放す”こと」が必要な理由と具体的なその方法を本書よりご紹介します。
自分を受け容れられると子どもも受け容れられる
数々の心理学の研究では、「自己受容が深まれば深まるほど、幸福度(心の健康度)が高くなる」ということが明らかにされています。 「私は私なんだ」という軸がしっかりするため、気持ちが安定し、おおらかな気分でいられるようになるからです。だからこそ、人と自分を比べて劣等感や優越感を抱くこともなくなります。 また、自己受容が深まるほど他者受容も深まることもわかっています。自己受容と他者受容は比例するのです。 「私は私」と思えるのと同時に「人は人」と認められるため、「人には人の考えがある」ということもすんなり受け容れられるようになります。だからこそ、相手のことを尊重できるし、違う意見をもつ人のことを無理やり変えようとしたり、避けたりといったこともしなくなります。 「私はこう考えるけど、あなたはこう考える人なんだね」と、相手の人格をおもんぱかることができるようになるのです。 ここまで読んで、気づいた人もいらっしゃるかもしれませんね。そうです、“他者”にはあなたのお子さんも含まれます。血がつながった親子であっても、あなたとお子さんは別の人間です。自分が産んだ子どもであっても、考え方やとらえ方がまったく違うことも多々あります。でも、あなたの自己受容が深まることによって、ありのままのお子さんの姿を受容できるようにもなるのです。 自分で自身の心を満たせるようになり、“私”という軸をしっかりつくれたあなたは、お子さんからの精神的自立も自然とできるようになっていきます。お子さんを自分とは違うひとりの人間だと認識でき、その考え方を尊重できるようになるとともに、我が子の未来も信じられるようになっていくことでしょう。