子どものいる世帯「生活が苦しい」65%に増加。もうすぐ児童手当が拡充へ
世帯年収700万円台の負債額はいくら?
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」によると、年収700万円台の持ち家率は約85%となっています。 上記から、多くの子育て世帯は持ち家率が高いといえますが、住宅ローンを一括で返済している世帯は少ないです。 総務省統計局の同調査によると、世帯年収700万円台の住宅・土地のための負債額は下記の通りです。 ・世帯年収700~750万円の住宅・土地のための負債額:1088万円 ・世帯年収750~800万円の住宅・土地のための負債額:1114万円 上記の数字から、多くの子育て世帯が高額な住宅ローンを抱えていることがわかります。 仮に住宅ローンの返済期間を25年とした場合、月々の返済額は3~4万円程度と推定されます。 前章でお伝えした教育費の負担も考慮すると、世帯年収700万円台であっても生活に余裕がないと感じる可能性が高いことがうかがえます。
もうすぐ児童手当が拡充へ!国の支援制度を積極的に活用しよう
本記事では、子育て世帯の世帯年収について、全世帯の世帯年収と比較しながら紹介していきました。 子育て世帯の平均世帯年収が700万円台だと聞くと、一見「経済的に余裕がある」と感じてしまいますが、住宅ローンや教育費などの大きな支出により、実際に生活や貯蓄に回せる割合は少ないものとなります。 政府は「異次元の少子化対策」として、児童手当の拡充を行っており、2024年10月から支給対象が拡大されるほか、所得制限が撤廃されます。 どの世帯においても平等に子育て支援が受けられる体制が拡大されつつあるため、「生活が苦しい」と感じる世帯は、このような国の支援制度を積極的に活用できると良いでしょう。
参考資料
・厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」 ・文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」 ・総務省統計局「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表 」 ・こども未来戦略会議「「こども未来戦略方針」案~次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」の策定に向けて~」
太田 彩子