「喜びよりも不安に襲われた」不妊治療経て妊娠も逆子で帝王切開…タレント浜口順子の半生で積み上げた「経験の貯金」
── 今後の活動で挑戦してみたいことはありますか? 浜口さん:三重に移住したことで、「三重の魅力を知ってもらいたい」という気持ちを持つようになりました。今後、三重の魅力をさまざまな形で発信していきたいですし、移住についてもお話しできる機会を作れたらと考えています。 それから、高校時代からの夢である「放送作家」の活動も、少しずつスタートすることができています。皆さんの前で、「作家の仕事をしています」と話せることができるよう、頑張っていきたいですね。
── 芸能界デビュー、移住、独立、不妊治療など、さまざまな選択を重ねてきました。これまでの経験から、どのような学びを得ましたか? 浜口さん:大変なことや、つらいことって誰もが経験していると思います。でも、その経験を「プラスの材料に変えよう」と思える思考力があれば、幸せにつながっていくんだと感じています。仕事がなくて深く落ち込んだこともあったし、やることがなくて朝から晩まで布団の中で過ごした時期もありました。でも今、振り返れば、すべて意味がある時間だったんだと思います。その時間の延長線上に今の私がいる。これまでの経験があったからこそ、ネガティブなことが起こっても「いつかハッピーにつながるといいな」と考えて前を向くことができるようになりました。
今はたくさんの仕事をいただいていますが、数年後はゼロになるかもしれません。でもそのときはそのとき。それまでに積み上げた「経験の貯金」で今後のことを考えていきたいです。どんなことが起きても「無駄なことはひとつもなかった」と思える人生にしたいですね。 PROFILE 浜口順子さん はまぐち・じゅんこ。タレント。1985年大阪府生まれ。3歳に難病「若年性特発性関節炎」を発症し、約10年間の闘病生活を送る。16歳のときに、ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞し、芸能界入り。2016年に結婚し、不妊治療を経て、2023年に第一子を出産。2022年に三重県に移住。現在は、ラジオパーソナリティーやニュース情報番組のMCなど、幅広く活躍中。 取材・文/佐藤有香 写真提供/浜口順子
佐藤有香