「喜びよりも不安に襲われた」不妊治療経て妊娠も逆子で帝王切開…タレント浜口順子の半生で積み上げた「経験の貯金」
── 浜口さんの様子を見て、パートナーはどのような対応をしてくれたのですか? 浜口さん:「とりあえず、結果を聞きに行こう」となだめ、一緒に病院につき添ってくれました。しかし、予想に反して先生の口から出てきたのは「妊娠しています」の言葉。意外な結果に、「嘘やん!」という気持ちになり、その直後「どうしよう」と不安に襲われました。「クリニック内では感情を出さない」と決めていた私と夫は、無表情で会計を済ませ、病院を出ました。その後、駅に着いてからようやく「大変なことになった」と言葉を交わしたんです。
── そのときも、うれしさより不安が勝っていたのでしょうか? 浜口さん:そうですね。先生からは「まだ流産の可能性がある」と言われていたため、ぬか喜びはできず、不安のほうが大きかったです。また「流産は自然淘汰で起こるため、仕方のないこと」と説明を受けていましたが、私たちは「自然淘汰させたらいけない。この命を守らなければ」というプレッシャーを感じていました。合計3回の体外受精に挑戦し、たくさんの人の力が携わって紡いだ命の重さを、感じていたんだと思います。
■つらいことがあっても前を向いて生きたい ── 出産時のエピソードを教えてください。 浜口さん:赤ちゃんが逆子だったため、帝王切開での出産でした。麻酔で意識が朦朧とした中での初対面。「ちゃんと生きてる、よかった…」と、うれしさよりも安堵したという感じでした。同時に「こんなに大きいのが入っていたんだな」と不思議な気持ちにもなりましたね。 ── その後の育児生活はいかがですか? 浜口さん:出産後も「この命を絶やしてはいけない」と使命感を感じ続けていましたが、1歳を迎えたわが子の成長を間近で感じ、ようやく嬉しさを噛み締めることができています。母も孫が生まれたことを自分ごとのように喜んでくれて、私が仕事をするときは、大阪から来て育児を手伝ってくれているので、とても助かっています。